出産をひかえており、さい帯血を民間バンクに保管するか悩んでいませんか。
さい帯血は出産の際にしか採取できないため、保管できる機会は限られています。
またさい帯血は、治療困難な病気を治してくれる可能性を秘めているのです。
しかし、保管するデメリットや費用なども気になりますよね。
この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・さい帯血を民間バンクへ保管する際に悩む2つのポイント(デメリット)
・さい帯血を利用した3つの治療例
・さい帯血保管料金の目安
この記事を読むと、さい帯血を保管するかどうか決断できるようになりますよ。
さい帯血を民間バンクへ保管する際に悩む2つのポイント
民間バンクに保管を検討する際に気がかりな事として、費用がかかる点が挙げられます。ステムセル研究所ではプランにもよりますが、10年間の保管ですと約35万円が必要になってきます。
また、もう一つ保管を検討する際に悩まれる事としては、さい帯血を採取できるのは、出産時しか採取できないという点かと思います。赤ちゃんにとっては一生に一度の貴重なチャンスということになりますので、事前にご検討され契約をしておく必要があります。
さい帯血の採取には医療機関や産科医の了承が必要で、事前に機関への確認が必要で、事前準備も計画に入れる必要があります。
【家族を守る】さい帯血の民間バンクへの保存
さい帯血には、幹細胞といわれる、臓器・血液の成分・神経などの身体のもとになる細胞が多く含まれていて、病気の治療に役立つ可能性があります。自閉症や脳性まひなどの万が一の病気に備えて、特に再生医療の分野で期待されています。また、赤ちゃんご本人だけではなく、家族の治療にもご使用いただける可能性があるなど、ご家族みなさまのお守りとしてお考えいただくことができます。民間バンクにおいて、厚生労働省に事業届出をしている企業は2社のみであり、ステムセル研究所がそのひとつです。
出典:厚生労働省|臍帯血プライベートバンクからの事業の届出状況等について
さい帯血を利用した3つの治療例
治療例1:脳性まひ
脳性まひとは、運動困難と筋肉のこわばりを特徴とする病気で、出生前から出産直後などに起きた脳の損傷などを原因とします。
治療を受けた方は、1歳5ヶ月の時に左手と左足に麻痺があり、脳性麻痺と診断され、歩けるが転びやすく、少し歩いては転びを繰り返す状況で、2歳5ヶ月の時に臨床研究へ参加しました。さい帯血輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになり、地域の小学校の普通級に集団登校で通っていらっしゃいます。
参考:さい帯血情報2023年6月号Vol.126|ステムセル研究所
治療例2:低酸素性虚血性脳症
低酸素性虚血性脳症とは、何らかの原因で新生児の脳への酸素供給や血流が滞ることによって引き起こされる脳障害です。
治療を受けた人は、7歳の方で、寝返り、座位など自力の行動ができない症状があり、てんかん発作がありました。さい帯血投与直後には、毎日あった部分痙攣が24時間ほど止まった効果が見られました。投与から1ヶ月後には、いままでは手を動かしたくても、ただ全身を緊張させて強張るだけでしたが、粗大運動をできるようになりました。また、歩行器も足を突っ張るだけだったのが、脚を緊張・弛緩できるようになりました。更には、認知機能も改善し、言葉への理解度が増しました。
参考:さい帯血情報2022年8月号Vol.123|ステムセル研究所
治療例3:脳室周囲白質軟化症
脳室周囲白質軟化症とは、出生時に何らかの原因で脳室周囲白質という部分が虚血状態になり局所的に壊死してしまう疾患です。
治療を受けた人は、5歳の方で、座位保持、立位、独歩不可の状態で、手足に麻痺がありました。さい帯血の投与から1か月ほど経過し、座位が保てるようになり、緊張が緩和するなど、徐々に改善している効果がみられています。
参考:さい帯血情報2022年5月号Vol.122|ステムセル研究所
新たに始まるさい帯血の研究
公立大学法人大阪大阪公立大学と株式会社ステムセル研究所は「自閉症スペクトラム障害に対する自家臍帯血有核細胞を用いた治療法の開発」を実施すると発表しました。自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder; ASD)は、発達障害のひとつであり、社会性、言語能力、認知能力などに支障をきたす疾患で、100人に1人の割合で発症しているといわれています。現在、ASDに対する有効な原因療法は確立されていません。ASDの症状が発症するメカニズムのひとつに、脳内の免疫系が過剰に反応し、脳神経機能に異常をきたしていることが挙げられますが、免疫を抑制する細胞を含む臍帯血を投与することにより、脳神経機能が改善することが期待されています。この臨床研究は2024年4月の開始を目指しております。
参考:「自閉症スペクトラム障害に対する自家臍帯血有核細胞を用いた治療法の開発」に関する研究者主導臨床研究契約の締結について|ステムセル研究所
さい帯血を民間バンクに保管している人の割合
さい帯血の累計保管者数は、2024年3月31日現在、86,733件となっています。2010年頃には、約20,000件の保管者でしたが、ここ10年間余りの間で、保管者は4倍以上に増加しています。
増加の背景としては、再生医療や研究への進展への期待、またごきょうだいや家族への利用の期待が高まっていることが挙げられます。
【目安】さい帯血の保管料金
ステムセル研究所では、保管プランにより異なりますが、月々2,980円(税込み)~のさい帯血を保管することができます。保管プランについては、さい帯・さい帯血のどちらか一方を保管する「ONEホーププラン」、さい帯・さい帯血の両方を保管する「Wホーププラン」の2つのプランがあります。
さい帯血はどうやって採取・保管する?
ご出産時に医師や助産師、看護師の方々にさい帯血を採取していただきます。そして、ご出産後48時間以内に当社の細胞処理センターに届けられて幹細胞などを分離する作業を行います。細胞処理センターに運ばれるまでは、常にさい帯血の温度を記録し、異常がないかチェックします。そして、さい帯血の細胞分離から保管までを、法律の基準を満たす細胞調整室で、十分な技術トレーニングを受けた技術者が無菌的操作により細胞を分離します。
さい帯血保管の契約までの流れ5ステップ
ご出産前にご契約のお手続きが必要になります。まず、ステムセル研究所ホームページより資料請求のページにアクセスください。送付される資料の手順に沿って、お手続きしていただけます。その他の事前準備としましては、ご出産予定の医療機関には「依頼書(同意書)」を提出して頂きます。ご契約後には、さい帯・さい帯血採取に必要なキットを送付させていただきます。
まとめ
さい帯血を保管するにあたり、気掛かりな費用の面について、また実際の治療例などもお伝えさせていただきました。確かに、ご契約頂くお手数や、金銭的なご負担は生じます。しかしながら、今現在治療法のない病気に対して、今後の研究への期待は大変に高まっている点を踏まえると、さい帯血保管は貴重なご家族の財産になる可能性があります。赤ちゃんにとっては、ご出産時が、一生に一度のチャンスです。ご家族様と是非ご検討頂ければと思います。
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんのために、おなかに赤ちゃんがいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。
このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。
しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の白血病などの治療のために寄付することができます。
一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所は、国内シェア約99%を誇る国内最大の民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所が選ばれる理由
・1999年の設立以来25年以上の保管・運営実績あり
・民間バンクのパイオニアで累計保管者数は8万名以上
・全国各地の産科施設とのネットワークがある
・高水準の災害対策がされた国内最大級の細胞保管施設を保有
・厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得
・2021年6月東京証券取引所に株式を上場
詳しい資料やご契約書類のお取り寄せは資料請求フォームをご利用ください。
さい帯血を保管した人の声
■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
※ほかの保管者のから声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ少しでも快適に、幸せな気持ちで過ごしてくださいね。
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー