【気付かない陣痛の始まり】
私自身、第一子が妊娠7ヶ月の時に切迫早産を経験し入院しました。
数日腰痛が続いていただけで特に体調に変化がなかったので横になったりしながら様子をみていましたが、入院となった当日は39℃の発熱と嘔吐、どうにもできない背中の痛みで病院を受診しました。
通院していたクリニックは個人病院だった為一応連絡しましたが『個人病院では処置ができないかもしれないので、今から総合病院へ行ってください』と教えていただき即総合病院へ!!
なかなか順番にならず4時間待ちましたが、途中で熱も下がり吐き気も落ち着き普通に歩けるようになったので『もうこのまま帰ってもいいかな?だだの食あたりだったかな?』と思っていました。
ようやく診察になり症状が改善していることも伝えましたが一応NST(胎児心拍数モニタリング)をすることになりました。
この時は10分ほどで終わり先生から『おなか張ってるのわかるかな?切迫早産で陣痛に似た痛みや収縮が始まってるから今から入院ね!!』と言われ『え?陣痛?始まってるの?まだ生まれたら生きられないよね?もっと早く病院に来てたら大丈夫だったの?』と一瞬でパニックになりました。
私の場合は7ヶ月で赤ちゃんがまだ小さかったからか全くおなかの痛みは感じませんでした。
【切迫早産とは】
37週未満でおなかの張りや痛み、子宮口が開き始めていたり子宮頚管が短くなる、出血や破水など出産に繋がるような兆候が現れている状態です。
原因としては、
・感染症
・子宮頚管無力症
・子宮奇形
・多胎妊娠
・ストレスや喫煙、ダイエットなどの生活習慣
治療方法は、
おなかの張りを抑える薬を内服または点滴します。感染症も起こしている場合は併せて抗生剤を使用することがあります。
子宮頚管無力症などで子宮口が開いてきている場合は、子宮口を縛る手術をすることもあります。
安静度は切迫早産の進行により様々で、
・自宅で安静にする。
・入院し院内なら行動できる。
・入院しトイレ、洗面のみ行動できる。
・入院し絶対安静のため排泄も寝たまま。
【切迫早産で入院したら何をするの?】
切迫早産で入院になると突然今までと違った日々をおくることになります。
事前に知っておくことで戸惑わず落ち着いて対応することができるといいですよね。
診断時、入院中は次のような検査をします。
・超音波エコー検査
子宮口の開きや子宮頚管の長さ、胎児の状態を確認します。おなかの上から観察する(経腹超音波検査)と膣の中に細長い超音波機械を入れ観察する(経膣超音波検査)があります。通常の妊婦健診で行われる検査と同じです。
・NST(ノンストレステスト)
ベッドで安静にしている状態でおなかにPCのマウスほどの機械を2個付け、おなかの張り具合と胎児の心拍数を観察、確認します。妊娠9ヶ月頃の妊婦健診では毎回ある検査になり痛みなどはありません。20分~40分安静にしているだけです。
・血液検査
感染症や他の病気の原因判断のため行われます。
・膣分泌物培養検査
・早産マーカー検査
・破水の検査(破水の可能性のある場合)
膣内からおりものを採取して培養し、感染症・早産リスク・破水の有無を検査します。
・尿検査
感染症や他の病気の原因判断のために行われます。
・血圧、脈拍、体温の検査
私の場合は感染症が原因だった為、子宮頚管が短くなっていたので超音波エコー検査を1日1回、、NSTは1日3回ありました。血圧、脈拍、体温検査は毎日朝食前にありました。
【入院になったら持ち物は?】
突然入院になると何を用意して持ってきてもらったらいいのか戸惑いますよね。
切迫早産は誰にでも起こりうる症状ですので安定期に入ったらご家族ともしもの時に必要になるもの、持ってきて欲しいものを確認しておくといいと思います。
・必ず必要になるもの
パジャマ、下着、洗面用具、お風呂用具、タオル、ティッシュボックス、ゴミ袋、ペン、現金、サンダルやスリッパ、箸、スプーン、ストロー、コンタクトや眼鏡、洗濯物を入れる袋、充電器、生理用品、マスク、ヘアー用品。
・あると便利なもの
上着、手鏡、ハンガー、耳栓、音の出ない置き時計、ポケットWi-Fi、本、ケトル、イヤホン、ノート。
【入院費用】
通常の妊婦健診は病気ではないため保険適用外の『全額自己負担』になりますが、切迫早産など治療が必要な場合は保険適用の『3割負担』になります。
保険適用になるのは、入院基本料、検査代、処置・手術代、薬代です。
保険適用外になるのは、差額ベッド代、食事代、日用品代です。
入院費用の目安としては1日1万~1万5千円くらいで1週間で8万~9万ほどになります。
長期入院になった場合に『3割負担でも30万以上になるから払えない!!』なんて心配は事前に制度を知っていれば大丈夫!!
『高額療養費』という制度を利用すると自己負担限度額(年齢、収入によって変わり4万~14万ほど)を超えた分は後日払い戻されます。
入院が長期になることがわかった時は、入院中に『限度額適用認定証』を加入している健康保険へ申請すると、支払時に自己負担限度額までの支払いで済みます。
しかし、、、この制度は一ヶ月単位の申請になるので月をまたぐと2ヶ月とも限度額を払うことになります。
(例 上限額8万で1日~30日まで入院し30万かかった場合‥支払いは8万。
15日~30日翌1日~14日まで入院し30万かかった場合‥支払いは8万+8万)
この場合は年末調整等で医療費控除を利用しましょう。
ご自身の加入している医療保険も使えることがありますので確認をしてみて下さい。
【最後に】
出産時の入院は必ず考えなければいけないと思いますが、予期せぬ入院になった時の為にも妊娠中期頃からご主人、ご家族と話合っておくことをお勧めします。
すでにお子様がいる場合は預け先や送迎方法、家族の食事や行事等の確認、入院からそのまま出産になってしまった時の新生児の準備等も必要になるかもしれません。
切迫早産を経験し入院時のツラさも理解していますが、今しかない休息の時間だと自分に言い聞かせゆっくりと体を休めて下さいね。
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー