妊婦さんは便秘薬を使っても大丈夫?薬に頼らない5つの解消法や体験談も紹介

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠してから便秘がつらい」「妊婦でも便秘薬を飲んでもよいのだろうか」と悩んでいませんか。
妊婦さんでも使える便秘薬はあります。
しかし自己判断で薬を用いると、胎児へ悪影響を及ぼす可能性があるのです。
この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・ 妊婦さんに市販便秘薬の使用をおすすめしない理由
・ 妊婦さんが便秘になりやすい6つの原因
・ 薬に頼らない5つの便秘解消法
この記事を読むと、つらい便秘を解消して楽に過ごせるようになりますよ。
妊婦さんは注意!市販便秘薬をおすすめしない理由
自己判断で市販便秘薬を服用するのは危険です。
腸に刺激を与える下剤は子宮収縮を誘発してしまう可能性があるため、切迫流産などを引き起こす恐れがあるからです。
便秘は恥ずかしいことではないため、早めに医師に相談しましょう。
私の場合、便秘の悩みを医師へ相談したところ、妊娠中でも使える便秘薬を処方してもらえました。
妊婦さんが便秘になりやすい6つの原因
妊婦さんが便秘になりやすい原因として、大きく以下の6つがあげられます。
・ 黄体ホルモンの影響による消化器官の動きの低下
・ 子宮が大きくなることによる腹部・腸への圧迫
・ 運動不足による筋力・ぜん動活動の低下
・ 水分不足
・ つわりなどによる食生活の変化
・ いきむのが怖くて排便が進まない
妊娠すると黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増え、胃や腸などの消化器官の筋肉を緩ませてしまい、消化が進みにくくなります。
また、妊娠することで安静に過ごす時間が増え、必然的に運動不足になっていき、消化器官の活動に影響してしまうのです。
そして、おなかの中の赤ちゃんが育っていくためには、たくさんの水分が必要です。
通常の水分摂取量では足りずに、水分不足になってしまうことも便秘の大きな要因といえます。
妊婦さんにおすすめ!薬に頼らない5つの便秘解消法
では、薬に頼らないでも、便秘を解消する方法はないのでしょうか?ここでは、おすすめの5つの解消法をご紹介します。具体的には、①水分補給のタイミングや量について、②食物繊維が豊富に含まれる食品について、③善玉菌を増やすこと、④適度に体を動かし腸を刺激すること、⑤副交感神経を優位にすることをご紹介します。
・水分補給をする
・食物繊維を摂る
・善玉菌を増やす
・適度に体を動かす
・副交感神経を刺激する
便秘解消法1:水分補給
水分補給はこまめに行いましょう。
とくに朝は失われた水分を補給したいタイミングです。
まだ動き始めていない胃に刺激を与えることで、ぜん動運動を促せます。
また水分が便を柔らかくしてくれるので一石二鳥なのです。
水分摂取量は2L/日が目安です。
「健康のため水を飲もう」推進運動 (mhlw.go.jp)
→厚生労働省のホームページ上には1日2.5L必要との記載がございましたが、2Lとのデータはみつかりませんでした。
便秘解消法2:食物繊維を摂る
食物繊維には水溶性と不溶性があり、水溶性は水に溶ける食物繊維です。
水溶性の食物繊維を摂ると、水分を含んで便が柔らかくなるだけでなく、腸で善玉菌を増やす働きもしてくれます。
水溶性の食物繊維を含む食べ物は、以下のとおりです。
・ バナナ
・ キウイ
・ オクラ
・ 山芋
・ ごぼう
・ 納豆
・ こんにゃく
・ 海藻類など
不溶性の食物繊維は、腸の動きをよくしてくれますが、水分を取られてしまい便秘の原因になることがあります。
便秘解消法3:オリゴ糖で善玉菌を増やす
オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサになり、善玉菌を増やすことに役立ちます。
善玉菌が増えると腸内環境が整うのです。
お砂糖と同じ役割で調味料として使用できるため、積極的に取り入れてみましょう。
便秘解消法4:適度に体を動かす
おなかが大きくなると動きにくくなり、どんどん運動不足になっていきます。
運動不足は筋力の低下、腸への刺激不足につながり、便秘の原因になります。
なかでも軽いウォーキングやマタニティヨガなどが効果的です。
ストレス解消にも繋がりますよ。
便秘解消法5:副交感神経を刺激する
副交感神経とは、体の回復や修復のために働く神経で、老廃物を出す役割があります。
寝ると疲れが取れるのは、この神経のおかげなのですが、リラックスしている時にもこの神経は働いてくれます。
副交感神経が優位になると、老廃物を出す流れ、すなわち排泄にも促されます。
私はよく本屋さんで本を選んでいる時や家でカタログなどをぼんやり見ている時に、トイレに行きたくなります。
これは副交感神経が優位になった証拠。
いろいろな不安も多い妊娠期間ですが、些細な瞬間に副交感神経は働いてくれますから、ご自分なりのリラックス方法を見つけてくださいね。
【体験談】妊娠中のつらい便秘との戦い
妊娠前、コンスタントに出るときもあれば、何日も出ない日もあるという状態だった私。
薬には頼らずヨーグルトなど、お通じによさそうな食品を摂ったり、マッサージをしたりして乗り切っていました。
ところが妊娠後、だんだんと便秘の程度がひどくなっていきました。
出ない日が続くようになったのです。
そればかりか、いきんでも出しにくく、なかなかスムーズに出てこない感じ。
それでも薬を飲むことに抵抗を感じて、努力を続けていました。
そして妊娠5カ月を迎えたある日。
仕事中に便意がありトイレに行くと…
ついに、出なくなってしまったのです。
「まぁ待っていればそのうち出るだろう」と初めのうちは軽く考えて座っていたのです。
しかし、5分待っても10分待っても変化なし。
おなかに赤ちゃんがいるので、力いっぱいいきむのも怖い。
1時間後、なんとか排泄を終えました。
また同じ事態になったら困ると思い、産婦人科で相談することにしました。
原因は「水分不足」で便が硬くなったことや排泄機能や「筋力の低下」など。
先生に相談して、妊娠時でも飲める「便を柔らかくする便秘薬」を処方してもらいました。
いきんで出血した場合は
便秘になってしまうと、トイレにこもって長時間いきむなんてこともありますよね。
しかし注意が必要です。
いきむことで腹圧がかかり、切迫早産のリスクにつながる可能性があるのです。
もし、いきんで肛門から出血してしまったら、お湯でやさしく洗い流し、清潔を保ちましょう。
痔ができてしまっている場合、強い痛みやひどい出血がある場合には早めに病院を受診しましょう。
まとめ
妊娠中は、ホルモンバランスの変化や体重増加などさまざまな変化によって、便秘が起こりやすくなり、放置できない症状の一つで悩ましいものです。なるべく便秘薬を使わない方法で、解消したいとお考えの方も多いかと思います。本日ご紹介した5つの方法の中で、ご体調のご様子をみてお試しいただけるものがあれば、実践してみてください。症状が改善されない場合は、無理をせず医師に相談し、妊娠中でも使える便秘薬を処方してもらうのがおすすめです。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー