気になるけど聞きにくい「おりもの」について
我が家は娘2人なので幼い頃から女性の体について話をするようにしています。
「ママ達のおなかには赤ちゃんのベッドがあるんだよー」とか「生理は10歳頃から始まっておばあちゃんになる頃まで毎月あるんだよ」など成長に合わせて、わかるように話をしています。
いつか生理が始まった時や妊娠した時にオープンに話せるようにしてあげたいからです。
思春期を迎えた時に恥ずかしくて母や友達に聞けなかった私は「生理」や「おりもの」など気になることがあってもいい出せず、ネット検索ばかりしていました。
もちろん妊娠中の体の変化も相談できず、ネット検索ばかり・・・
同じ母親になった今は母にも友達にもママ友にも体の変化を相談できますが、まだ恥じらいのある頃は、なかなか体の相談(特にデリケートな話)はできなかったりしますよね。
「何だかいつもとおりものが違う!?」
「生理予定日だけど生理にならないから、もしかして妊娠!?」
「妊娠したけど、このおりものは大丈夫!?」
など、皆さんの心配されていることが少しでも解消出来たら良いなと思います。
おりものは年齢や女性ホルモンの影響で変化する
①年齢によっておりものの量は変化する
・10代は、初潮を迎える頃から徐々に増え始めますが、まだ女性ホルモンの分泌が不安定なため、生理周期もおりものの量も定まりません。
・20代から30代は、女性ホルモンの分泌も増え、おりものの量も増えます。
・30代から40代は、女性ホルモンの分泌が徐々に減り始め、おりものの量もだんだん減っていきます。
・50代からは、さらに女性ホルモンの分泌が減り、閉経後はぐっとおりものの量も減ります。
②生理周期によっておりものの量は変化する
・月経期(生理中)は、おりものだけを確認することは不可能ですが、通常は量が減っています。
・卵胞期(生理後)は、量は少なめですが、さらっとした粘り気のあるおりものが出ます。腟内は酸性で細菌の繁殖を抑制しています。精子は酸に弱いため、妊活をされている人は数日待ってからの方が受精の可能性が高くなります。
・排卵期(排卵数日前~排卵日)は、透明でよく伸びる(卵白の様な)おりものが増えます。腟内はアルカリ性に変わり、精子が過ごしやすい環境になります。この時期にごく少量の出血が混じる場合は、排卵出血(中間出血)といい、不正出血とは異なるので心配しなくても大丈夫です。
(出血量が多い場合や2、3日で止まらない場合は、不正出血であり、病気の可能性があるため、受診をお勧めします)
・黄体期(排卵後~生理前)は、透明でさらっとしていた(水っぽさのある)おりものから、白色やクリーム色のドロっとしたおりものに変わり、量は一旦減っていきますが生理前には少し増えます。臭いも強くなり、酸っぱい臭いを感じたりします。
妊娠初期からのおりものの変化
妊娠をするとおりものは増加します。
通常おりものはエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量に合わせて増減するため、排卵期が1番多くなり、黄体期には減ります。しかし、受精卵が着床するとエストロゲンの分泌が再び増え始めるので、おりものの量も増えるのです。(着床しなければ通常通り生理が始まります)
まれに妊娠超初期(着床してすぐの頃)に妊娠に気づくとエストロゲンがまだ増え始めたばかりなので、おりものの量を多く感じないこともあります。
妊娠初期の着床時には少量の出血がおりものに混じることがあります。酸っぱい臭いがすることもありますが、気にならない人もいます。色は白っぽくさらっとしたおりものになります。
妊娠中はおりものが増えるため、お風呂で念入りに洗いがちですが、洗いすぎると常在菌のバランスが崩れ、腟炎などの原因になります。低刺激の洗剤で優しく洗い流す程度にしましょう。
また、おりものには、もともと細菌の侵入を防いでくれる役割もあるので洗い流し過ぎも良くありません。
しかし、明らかに通常より多い量だったり、臭いがきつかったり、色が白っぽい(卵白の様な)色以外の場合は、感染症にかかっていることがありますので、赤ちゃんのためにも早めに受診をしてくださいね。
最後に
おりものに対して「下着が汚れる」「臭いが気になる」「おりものシートをつけると蒸れる」など、わずらわしい思いしかない人が大半ではないでしょうか。
しかし、おりものは妊娠を促すためにも必要ですし、妊娠中も感染症にならないように赤ちゃんを守ってくれています。
そして、最初におりものが出るのは、実は生後すぐなんです!!
お母さんのホルモンの影響で生後10日間ほど白っぽいおりものが出るんです。我が子は2人共ありました。
それからずっと出ることのなかったおりものが初潮を迎える少し前からまた出始めます。
おりものを毎日観察することは、恥ずかしさもあるかもしれませんが、体の変化に気づくきっかけにもなります。
これから妊活をされる方は、ぜひ、おりものの変化も気にしてみてくださいね。
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー