妊娠初期で「胃がキリキリする・・・」「胃痛で寝られない」と悩んでいませんか。
毎日の生活に支障が出て、イライラすることもありますよね。
妊娠初期に胃痛を感じているのは、あなただけではありません。
株式会社ゼネラルリンクが運営する情報サイト「赤ちゃんの部屋」が、妊娠経験者に対して行った調査によると「23.5%」の人が胃痛を感じていると回答しています(※1)。
妊娠初期に起こる胃痛は、ホルモンバランスの変化や消化機能の低下などが原因です。
つらい胃痛ですが、正しい対処を行えば症状をやわらげることができます。
この記事では、おもに以下のような内容を解説します。
・妊娠初期に起こる胃痛の原因
・対処法
・注意点
この記事を読むと、胃痛をやわらげる方法がわかり、楽に妊娠生活を送れるようになりますよ。
(※1)出典:PR TIMES|株式会社ゼネラルリンク「妊娠初期症状・つわりに関する調査!76.8%は「日常生活に支障がある」【赤ちゃんの部屋】」
妊娠初期に起こる胃痛の原因5点
妊娠初期に起こる胃痛の原因は、大きく5つあげられます。
・ホルモンの分泌
・つわり
・ホルモンバランスの変化
・子宮の成長
・食生活の変化
順番に見ていきましょう。
原因1:ホルモンの分泌
妊娠すると、急激なホルモンの変化が起こります。
なかでも「ヒト絨毛性ゴナドトロピン」「プロゲステロン」と呼ばれるホルモンの増加が胃痛の原因になります。
これらのホルモンは、子宮内膜を柔らかくするなどの働きがある一方で、消化器官の働きを鈍くしたり、胃酸の分泌を増加させる作用があるため胃痛や胃もたれが起こりやすくなるのです。
ホルモンバランスの変化には個人差があるため、症状の大きさも個人によって異なります。
ほとんどの場合、妊娠が進むにつれてホルモンバランスが安定し、症状も和らいでいくでしょう。
原因2:つわり
妊娠初期は、急激にホルモンバランスが変化し、つわりの症状が起きやすい時期です。
妊娠初期に起きる吐きづわりは、胃酸過多の状態を引き起こします。
そのため、胃痛を起こす原因になります。
原因3:自律神経のバランス
妊娠中の体には、つわりなど、通常時では考えられない変化が起きています。
このような変化が、ストレスとして自律神経のバランスを崩すことも考えられ、胃痛を起こす原因の一つにもなります。
とくに消化器系は自律神経に影響されやすく、胃痛や胃もたれ、吐き気などの症状として現れるのです。
ストレスによって胃酸の分泌が増加したり、胃腸の動きが乱れたりして、胃痛が引き起こされる可能性もあります。
また、不安やストレスによって食事の内容や時間が不規則になることも、胃痛の一因になるのです。
原因4:子宮の成長
妊娠初期の後半では、子宮の成長速度が加速していきます。
たとえば、妊娠してすぐは鶏卵ぐらいの大きさだった子宮は、妊娠初期の終わりには新生児の頭ぐらいの大きさ(約30cm)にまで成長します。(※2)
その成長した子宮が胃を圧迫し始めて、胃痛が起きるケースもあるのです。
成長した子宮が胃を圧迫すると、胃の容量が小さくなってしまい、食事の消化を遅らせる可能性があります。
結果、胃もたれや不快感、さらには胃痛を感じるのです。
また、胃の圧迫は胃酸の逆流を促進し、胸焼けや喉の痛みを引き起こすことも。
(※2)出典:岐阜県御嵩町 公式ホームページ「◎妊娠~出産までの流れ」
原因5:食生活の変化
妊娠初期はつわりが始まり、食事の内容や食事回数が変化する人もいるでしょう。
たとえば、つわりの症状を和らげるために少量の食事をこまめに取ったり、逆に食欲不振で食事量が減ったりなどです。
ほかにも、妊娠中に避けるべき食品があることを知って、普段の食事内容を大きく変える人もいるでしょう。
このような食生活の変化は、胃の消化リズムを乱して、胃痛や不快感を引き起こす可能性があります。
さらに、妊娠中は食品に対する好みが変化する時期でもあるため、偏食をして胃に負担をかけるケースもあるのです。
【寝られない】妊娠初期に起こる胃痛の対処法3選
妊娠初期に起こる胃痛への対処法としては、
・胃にやさしい食事を心がける
・食後すぐに上体を倒さない
・締めつけが弱い衣類を着用する
ことがあげられます。
できそうなものから試してみてくださいね。
順番に紹介していきます。
対処法1:胃に優しい食事を心がける
妊娠中は胃や腸など消化機能が低下しているので、胃に負担をかけないことが大切になってきます。
胃にやさしい食事のとり方を紹介していきます。
食べ方1:小分けにしてゆっくり食べる
一度に多くの食べ物を胃に送らないように、小分けにして食事回数にこだわらず食べる頻度を増やしてみましょう。
食事をゆっくりとよく噛んで食べると、胃にやさしいだけでなく、食べ過ぎ防止にもなりますよ。
食べ方2:消化がよい食べ物をとる
食事内容も見直してみましょう。
・おかゆ
・キャベツ、カブ、ニンジンなどの消化に良い野菜を煮込んだスープ
・胃の粘膜を保護してくれるヨーグルト
妊娠初期には、つわりの影響もあって、さっぱりとした果物を食べたくなることもあるでしょう。
しかしミカンなどの柑橘類は、胃酸の分泌を高め胃痛に繋がります。
胃に負担がかからない「リンゴ」「桃」などを小量ずつ摂るのがよいでしょう。
渋みがある果物には注意が必要です。
「タンニン」という渋み成分には消化を妨げる働きがあります。
「柿」「ぶどう」など秋が旬の果物にはタンニンが多く含まれているため、胃痛の際は避けるのがベターです。
対処法3:食後すぐに上体を倒さない
妊娠中は、体のだるさや眠気がある人も多いでしょう。
食後も横になりたいところですが、胃痛がある場合は注意が必要です。
「食後2〜3時間」は、横になると胃酸が逆流してしまいます(※3)。
逆流した胃酸は食道にたまりやすくなり、逆流性食道炎の原因となるのです。
食後に休みたいときは、胃酸の逆流を防ぐために上体を高くしたまま休むとよいでしょう。
ベットなどに寝た姿勢を、いつもの位置より上体を20cm程度高くしておくと逆流が防げるため、クッションやマット、枕などを使って工夫してみてくださいね(※4)。
就寝前の食事にも注意しましょう。
夕食は少なめにして「就寝2時間前」には食事を終えるのがベストです(※5)。
早めに夕食を済ませられない場合は、上体を少し高くして寝るだけでも胃痛の軽減や逆流性食道炎の予防になります。
出典:
(※3)国立長寿医療研究センター「逆流性食道炎ってどんな病気?」
(※4)医学ボランティア会JCVN「食後やご飯食べると気持ち悪くなるのはなぜ?違和感・吐き気の原因と考えられる病気」
(※5)石川県ホームページ「間食・夜食がやめられなくて困っています(食に関する困り事・関心事)」
対処法4:締めつけが弱い衣類を着用する
締め付けが弱い衣類を着用すると、体を圧迫されている不快感が軽減され、胃痛がやわらぐ可能性があります。
ワイヤー入りの下着などは、しばらく片付けて、インナーを工夫することもおすすめです。
具体的にどんな服装がよいのか知りたい、という人は下記の記事を参考にこれからの服装選びをしてみてくださいね。
妊娠初期は胃痛にあわせて下痢も起こりやすい
妊娠初期は、下痢が起こりやすくなるケースもあります。
下痢が続くとお腹に力が入ってしまい、赤ちゃんに影響があるのではないかと不安になる妊婦さんも多いのではないでしょうか。
妊娠中の下痢は、胃痛と同じくホルモンバランスの変化やつわりが原因の場合、直接おなかの赤ちゃんに影響することはないと考えられます。
ただし腹痛を伴う下痢が続くときは、感染症や食中毒などの病気の可能性があるため、病院を受診しましょう。
また下腹部に激痛があるときや不正出血のような症状がある場合も、我慢せずすぐに産婦人科を受診してください。
【体験談】胃痛で悩まされた妊娠初期
私も妊娠初期の胃痛に悩まされました。
二人目を妊娠中だったため、上の子の育児で休む時間はなく、胃にやさしい食事づくりも満足にできず、とてもつらい期間でした。
そんななかでも、夕食の時間を少しずらしてみたり、口にするものは柑橘類や刺激物を避けたりしながら過ごしていました。
気づけば胃痛の回数は減り、妊娠後期に入る頃には、もう忘れているほどでした。
妊娠中は目まぐるしく体の変化が起きているので、つらい症状も落ち着く時期がやってきます。
それまでは家族にも協力をしてもらいながら、できる範囲で胃痛を和らげる方法を試していけるとよいですね。
妊娠初期の胃痛に関するQ&A
妊娠初期の胃痛について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。
Q1:胃痛はいつ治まりますか?
つわりの症状がおさまるとともに、落ち着いていくでしょう。
個人差があるため、断定はできません。
Q2:胃薬を飲んでも問題ない?
妊娠初期は胎児の重要な器官である、心臓や中枢神経系などが作られる時期であることから、自己判断での服用は避け、医師や薬剤師へ相談しましょう。
診察の結果によっては、妊娠中でも使える薬や漢方薬を処方してもらえることもあります。
胃薬の服用で胃痛が改善されないときや胃痛の症状がひどくなってきた際には、産婦人科で相談することをおすすめします。
Q3:胃痛は流産のサインですか?
胃痛のようにおなかに近いところが痛むと、流産してしまうのではないか…と心配になってしまいますよね。
妊娠初期の胃痛はつわりの一種のようなもので、時間の経過とともによくなることが多いです。
しかし稀に「急性胃炎」「胃潰瘍」などの病気が隠れていることもあります。
なかなか症状が治まらず、痛みがひどくなっている場合には、一度病院に相談しましょう。
まとめ
妊娠初期の胃痛は、多くの人が経験する症状です。
妊娠初期に胃痛が起きるおもな原因としては、
・ホルモンの変化
・つわり
・自律神経のバランスの乱れ
・子宮の成長
・食生活の変化
があげられます。
以下の方法で胃痛対策をしましょう。
・胃に優しい食事を心がける
・食後すぐに横にならない
・締め付けの弱い衣類を着用する
胃痛の症状は個人差が大きく、多くの場合は妊娠が進むにつれて自然にやわらいでいきます。
しかし、激しい痛みや長期間続く症状がある場合は、医療機関で受診しましょう。
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※ほかの保管者の声はこちらから
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー