「妊娠してから腰痛になった」
「これって普通のことなの?」
「どうすれば楽になるんだろう?」
上記のような悩みがある妊婦さんも多いのではないでしょうか。
実際、茨城県立医療大学や椎名産婦人科医院が公表しているデータでは「約80%」の妊婦さんが、あなたと同じように妊娠初期に腰痛を感じていると報告されています(※1)。
しかし妊娠初期の腰痛は、適切な対策を行えば、やわらげられるのです。
そこで本記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・妊娠初期に腰痛が起こる2つの原因
・妊娠初期の腰痛の特徴
・効果的な対策2つ
この記事を読むと、腰痛をやわらげる方法がわかり、快適な妊娠生活を送れるようになりますよ。
(※1)出典:J-STAGE|茨城県立医療大学(村井 みどり,楠見 由里子ほか)椎名産婦人科医院(椎名 美博)「妊婦および褥婦における腰痛の実態調査」第38回日本理学療法学術大会 抄録集
妊娠初期に腰痛が起こる2つの原因
妊娠初期に腰痛が起こる原因は、大きく分けて2つあります。
・ホルモンバランスの変化
・姿勢や体重の変化
くわしく見ていきましょう。
原因1:ホルモンバランスの変化
妊娠をすると、
・リラキシン
・プロゲステロン
・エストロゲン
といったホルモンバランスが変化します。
とくに「リラキシン」には、骨盤周りの靭帯を緩める作用があるため、骨盤周辺の関節が不安定になり、筋肉に負担がかかって腰痛が引き起こされやすくなっているのです。(※2)
ただしホルモンの影響は個人差が大きく、まったく症状を感じない場合もあります。
(※2)出典:J-STAGE|東京大学大気海洋研究所・生理学分野 日下部 誠「真骨魚類リラキシンの生理作用の探索」比較内分泌学 2014年40巻153号 p.116-120
原因2:姿勢や体重の変化
妊娠初期は大きく体重が増加する時期ではありませんが、つわりや疲労などにより、
・長時間同じ姿勢を取りつづける
・運動量が減少する
ことによって、腰周りの筋肉が弱くなり、腰痛を引き起こす可能性が高まるのです。
一方、医療法人葵鐘会と京都大学京都大学が行った研究では、妊娠初期に急激に運動量を増加させると、腰痛に悪影響になるともいわれているため注意しましょう(※3)。
(※3)出典:PR TIMES|医療法人 葵鐘会(山下守),京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻(青山朋樹)「【京都大学と葵鐘会の共同研究】 妊娠中の腰痛は、妊娠初期の過度な運動に原因する」
妊娠初期の腰痛の特徴
妊娠初期の腰痛には、おもに以下3つのような特徴があります。
特徴 | 詳細 |
だるさを伴う鈍痛 | 腰全体がだるく重く感じる痛み |
鋭い痛み | 腰の特定の部位に感じる鋭い痛み |
背中まで広がる痛み | 腰から背中にかけて広がる痛み |
また腰痛と同時に、恥骨痛を感じる場合も。
腰周辺の関節が恥骨とつながっているためです。
妊娠初期の腰痛に対する効果的な2つの対策
妊娠初期の腰痛に効果的な対策を、大きく以下の2つに分けて紹介します。
・日常生活の工夫
・運動やストレスを取り入れる
順番に見ていきましょう。
日常生活の工夫
日常生活では、以下のような工夫を少し行うだけでも腰痛をやわらげる効果が期待できます。
行動 | 詳細 |
正しい姿勢を意識する | ・背筋を伸ばし、肩の力を抜いた姿勢を心がける ・長時間同じ姿勢を取らない |
骨盤ベルトを巻く | 過度の締め付けは逆効果になる可能性があるため注意 |
身体を温めて血行促進 | ・入浴やホットパックで腰を温める ・足湯も効果的 ・熱し過ぎないように注意 |
足湯については、聖路加看護大学が行った調査によると、
・痛みの強さが軽減
・翌朝の起床時でも痛みが軽減
・即効性がある
という結果が得られたと報告されています(※4)。
入浴条件は以下のとおりです。
・湯温:40~42℃
・湯量:下腿(膝から足首)の1/3が浸かる深さ
また骨盤ベルトについては、正しく着用することが大切です。
以下の記事を参考に骨盤ベルトも活用しましょう。
(※4)出典:J-STAGE|聖路加看護大学(桃井 雅子)「腰痛のある妊婦に対する足浴の効果」日本看護科学会誌 1999年19巻1号 p.31-41
運動を取り入れる
適度な運動やストレッチは、腰痛の緩和に効果的です。
ただし急激に運動量を増やさず、徐々に体を慣らしていきましょう。
具体的には以下の運動がおすすめです。
・ヨガ
・エアロビクス
・水泳
・ピラティス
・ウォーキングやジョギング
運動する時間の目安としては、
・運動習慣のない妊婦は週2~3回
・1回の運動時間は60分以内
が推奨されています(※5)。
(※5)出典:J-STAGE|茨城県立医療大学(宗田 聡)「妊娠中の運動」The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 2023年60巻7号p.566-571
妊娠初期の腰痛で注意したい症状
腰痛とあわせて以下のような症状が見られる場合は、早めに医療機関で受診しましょう。
・発熱
・下腹部痛
・出血
・頻尿や排尿時の痛み
上記の症状は、尿路感染症や切迫流産などの可能性があるためです。
妊娠初期の腰痛に関するQ&A
ここでは妊娠初期の腰痛について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。
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土肥先生
しかし、動けないほどの痛みがある場合は、出産時の姿勢が取れないといった影響が考えられるため、なるべく出産前に改善を目指しましょう。
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土肥先生
腰痛の原因には、ホルモンの影響で関節や靭帯が緩むこと、姿勢の変化、体重の増加などが関係しています。
妊娠中の腰痛は、妊娠中期(妊娠5~7カ月頃)から増えやすく、妊娠後期まで続くことが多いですが、個人差があります。
出産後にホルモンの分泌が元に戻ることで、多くの場合、腰痛は自然に軽減します。
ただし、妊娠中の腰痛が強かった人は、出産後も腰痛が続くことがあり、特に「骨盤の痛み」を伴う場合は回復に時間がかかることもあります。
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土肥先生
薬剤を使用しないため、妊娠中でも施術をうけることができます。
しかし、妊娠の週数や症状に応じて細心の注意が必要であり、医師の許可を得てから治療を受けることをおすすめします。
また、軽いストレッチや適度な運動(妊婦向けヨガやウォーキング)が腰痛の軽減に役立ちます。
長時間同じ姿勢を避ける、寝るときにクッションを使う、骨盤ベルトを活用するのも効果的です。
痛みが強い場合は、医師や助産師に相談しましょう。
まとめ
妊娠初期の腰痛は、多くの妊婦さんが経験する一般的な症状です。
しかし適切な対策を実践すれば、影響を最小限におさえられます。
今回紹介した方法を参考に、自身にあった対策を取り入れましょう。
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※ほかの保管者の声はこちらから
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
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坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー