妊娠初期のママと赤ちゃんの様子、気になる症状について

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

はじめに

ご妊娠おめでとうございます!おなかに赤ちゃんがいることの喜びと同時につわりの症状が出てきたり、妊娠生活へのご不安もお持ちかもしれません。

今回は、妊娠初期のママの体や赤ちゃんの様子と気になる体の症状(つわりと腹痛)についてご紹介します。

 

妊娠2カ月の様子(妊娠4~7週目)

・ママの様子

つわりのような症状が出て、胃がムカムカしたり、においに敏感になったりします。ホルモンの影響で腸の活動が鈍くなり、便秘傾向になります。おりものが増えたり、少量の出血(着床出血)があることもあります。

・赤ちゃんの様子

赤ちゃんは「胎芽」と呼ばれ、1mm~13mmほどしかありません。中枢神経、心臓、消化器などの各器官ができ始めるほか、頭と胴体が分かれて二頭身になり、手足もでき始めます。

 

妊娠3カ月の様子(妊娠8~11週)

・ママの様子

つわりのピークです。個人差も多いですが、吐き気、吐く、食べないと気持ち悪い、胸やけ、においに敏感になります。

子宮が膀胱や腸を圧迫するので、トイレに行く回数が増えたり、便秘傾向になったりします。引き続き、基礎体温が高いため、体が熱っぽく感じます。

・赤ちゃんの様子

頭や足、胴が発達して三頭身になります。手足の指もできてきて、人間らしい姿へ。「胎芽」から「胎児」へと呼び方が変わります。へその緒が長くなって自由に動き回るようになります。

 

妊娠初期の気になる症状、どのように対応すれば良いか?

・つわり

口当たりの良いものを。家族・職場との話し合いで乗り切ろう!

私も、二回の妊娠でもっともつらかった時期がつわりの時期でした。シャンプーや洗剤のにおいにも、敏感になりましたし、冷蔵庫を開けただけで、うっとなってしまいました。一番のピーク時には、水を飲むのもつらかったです。ずっとソファーで横になっているしかなく、家族や職場、ご近所の方に支えていただき、何とか乗り越えることができました。

今、つわりで苦しんでいらっしゃる方には、妊娠中期に入ると、必ず楽になる!ということを特にお伝えしたいです。

また、冷えた舌触りの良い食品が食べやすいこともあります。冷えたそうめん、アイスなど、お口に合いませんでしょうか?ご自分の食べられそうなものを見つけられたらベストです。

また、お仕事をされている妊婦さんの場合、早めに職場の上司に報告されて、働き方を負担のないものにシフトできないか、ご相談されると良いと思います。

勤務時間や時差通勤の選択ができれば、満員電車などを避けることもできるかもしれませんし、ママの体調が良い方向にキープできるような選択ができると理想です。

仕事を続ける場合も、退職する場合も、いずれの場合でも「今後の子育てをどのようにしていきたいか」ということに関わってきますので、自分の気持ちを確認したり、パパとよく話し合うことが大切になるかと思います。

・腹痛

安静にして治まれば大丈夫、痛みが治まらず、出血があれば受診しましょう。生理痛のような痛みやおなかがチクチクする、下腹部が重い、このような腹痛を感じると、おなかの赤ちゃんは大丈夫かな?と不安になりますよね。まず、腹痛の原因として2点を挙げます。

①ママの子宮は、着床すると子宮が一回り大きくなり、レモンくらいの大きさになります。子宮が急激に大きくなる時に感じる痛みやその周辺にある膀胱や腸への刺激を腹痛として感じる可能性もあります。

②妊娠するとホルモンの可能性で、腸の運動が減り、便秘になりがちです。便やガスが溜まり膨満感があり、それを腹痛として感じることもあります。

これらの症状は、妊娠による体の変化により生じる腹痛なので、妊婦健診で問題ないと言われていて、ゆっくりと安静に過ごして落ち着くようであれば、様子を見ても良いかと思います。

また、安静にしていても腹痛が治まらない、激しい痛みがある、出血を伴う、いつもとは違う下痢の時のような腹痛、このような腹痛を感じたら、別の原因も考えられますのですぐに受診するようにしましょう。

おわりに

妊娠初期、ママの体は今までに経験したことのない変化で戸惑いも多いはずです。特に、つわりは苦しく、厳しいものに感じていらっしゃる方もいるかもしれません。

私のつわりの経験も書かせていただきましたが、幸いにも2回の妊娠とも家族や周りの方に、多大なサポートをしてもらいました。

もう駄目かも、と思うくらい苦しかったのですが、夫がいろいろ調べて、「つわりは赤ちゃんが元気に育っている証しだよ」と言ってくれて、その言葉をひたすら信じ続けました。

赤ちゃんは、妊娠2カ月では、1mm~13mmなのに、妊娠3カ月で、羊水を動き回れる!というのは、ものすごい成長ですよね!一日一日、ママのおなかの中で元気に大きくなっていくのですね!

妊娠期間は、長いようであっという間です。どうぞ、お体を大切になさって、素敵な妊娠期間となりますように。

 

◆参考「はじめてママとパパの本 妊娠・出産 ガイドBOOK Gakken」

 

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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