妊娠初期に下腹部痛が起こる3つの原因とは?対策や経験談も紹介

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠してから下腹部が痛む」「なぜ痛むのか考えると不安」と悩んでいませんか。
女性にとって妊娠出産は人生の一大イベントであり、特に初めての妊娠ではちょっとした体調の変化などで誰でも不安になるものです。
あなたと同じように、妊娠初期に腹痛を感じる人は多いといえるでしょう。
株式会社ゼネラルリンクが妊娠経験者に対して行った調査によると「約9%」の妊婦さんが妊娠初期症状として腹痛を感じたといわれているからです(※1)。
しかし、なかにはあなたや胎児に悪影響のある下腹部痛もあります。
そこで、この記事では以下の内容を解説していきます。
・妊娠初期に下腹部痛が起きる3つの原因
・妊娠初期における下腹部痛対策【3選】
・注意すべき下腹部痛の症状
この記事を読むと、安心して妊娠生活を送れるようになりますよ。
出典:(※1)PR TIMES|株式会社ゼネラルリンク「妊娠初期症状・つわりに関する調査!76.8%は「日常生活に支障がある」【赤ちゃんの部屋】」
【体験談】私が妊娠初期に感じた下腹部痛
母子手帳を手にした数日後「あれ?なんか痛い」「今日もお腹が痛い」とお腹にムズムズした違和感を感じるようになりました。
「そろそろ生理かな」といった痛みに近いような感じでもあり、合わせて腰も痛いような感覚。
何ともいえない、ずしんと重い違和感でした。
一度痛みを感じると神経は下腹部に集中し、1日の大半を下腹部に支配され、トイレに行くたび出血していたらどうしよう。
そればかり考え、無駄にトイレを行ったり来たり。
そのときはまだ妊娠初期のため、カレンダーを見ても健診日はまだまだ先。
しかし心配と不安は増すばかり。
健診日に先生に相談し、他の異常や赤ちゃんの状態に問題がないことを見ていただいたうえで、
・子宮が大きくなるので多少痛みを感じること
・下腹部に違和感を感じることがある
・妊娠初期によく見られる症状
といったことを説明されました。
いずれも「少し休んでおさまる、出血もないようであれば様子見で大丈夫」とのことでした。
とはいえ、痛みの感じ方や症状は人それぞれのため、少しでも不安になったり、心配な場合は、自己判断せずに早めの受診がおすすめです。
妊娠初期に下腹部痛が起きる3つの原因
なぜ妊娠初期に下腹部痛が起きるのか、原因は大きく分けて3つあります。
・ホルモンバランスの変化
・胎児の成長
・卵巣の腫れ
順番に見ていきましょう。
原因1.ホルモンバランスの変化
妊娠をすると以下3種類のホルモンバランスが変わるため、下腹部痛を引き起こす場合があります。
・エストロゲン(卵胞ホルモン)
・プロゲステロン(黄体ホルモン)
・hCG(ヒト絨毛ゴナドトロピン)
これらのホルモンは、腸の働きをおさえる作用があるため、便秘や下痢など腹痛の原因になりやすいといえます。
原因2.胎児の成長
妊娠すると、赤ちゃんの成長に伴って子宮も大きくなります。
子宮が大きくなると、子宮の筋肉が引き伸ばされて、痛みや違和感を感じることがあります。
また、子宮を支えている靭帯が引っ張られることでも、痛みを感じやすいです。
原因3.卵巣の腫れ
妊娠初期に卵巣が腫れて腹痛を感じる人もいます。
多くはホルモンの影響によって卵巣に液体がたまることによるもので「16週ごろ」までに自然に消えることが多いです(※2)。
出典:(※2)医療法人社団 冬城産婦人科医院「妊娠中に認められた卵巣腫瘤の対応 」
妊娠初期における下腹部痛対策【3選】
下腹部痛はつらく耐えがたいと感じるときもありますよね。
ここでは、私が実際に実行した方法や他の妊婦さんが実践した対策を3つ紹介します。
・安静にする
・温める
・生ものを控える
順番に見ていきましょう。
対策1.安静にする
痛みがある場合は、とにかく安静にして休憩を取りましょう。
外出中なら座って荷物を置いたり、横になれるようなら横になるのがベスト。
できる限り長時間での立ち仕事を控えるのが望ましいです。
対策2.温める
妊娠すると、子宮が徐々に大きくなる準備をするために少しずつ骨盤を圧迫します。
そのため骨盤まわりの筋肉は硬くなって血行が悪くなり、冷えに繋がる場合があります。
冷えは体の機能を低下させやすいので、なるべく体を温める工夫をしましょう。
たとえば湯船に浸かると、全身の血行がよくなり冷えに対して効果があります。
「約38〜40度」のぬるめのお湯に「10分程度」浸かるのがおすすめです(※3)。
ただし熱過ぎるお湯や長湯は、貧血や疲労の原因になるため注意しましょう。
出典:(※3)福島県伊達市役所「お風呂のすすめ」
対策3.生ものを控える
妊娠時は抵抗力が低下するため、食中毒にかかりやすくなります。
食中毒による下腹部痛を防ぐために「生もの」の摂取は避けたほうが無難でしょう。
とくに「生肉」にはトキソプラズマという寄生虫が潜んでいる場合があるため、注意が必要です(※4)。
最悪の場合、以下の症状が引き起こされるリスクがあります。
・流産や死産、早産
・脳症や水頭症、発育不全、精神遅滞、視力障害など
ほかにも「生卵」「刺身」なども控えたほうがよいでしょう。
出典:(※4)内閣府 食品安全委員会「寄生虫による食中毒にご注意ください」
妊娠初期の下腹部痛は切迫流産の可能性も
妊娠初期に起こる下腹部痛にくわえて、以下の症状がみられる場合は切迫流産の可能性があります。
・性器出血
・褐色のおりもの
・下腹部の張り
切迫流産とは、流産しかかっている状態です。
とくに妊娠初期である「妊娠12週」までに起こりやすいといわれています(※5)。
まだ妊娠継続が可能な状態であるため、上記の症状がみられる場合は早急に医療機関で受診しましょう。
出典:(※5)一般財団法人 女性労働協会 働く女性の心とからだの応援サイト 妊娠出産・母性健康管理サポート「切迫流産(妊娠22週未満)」
まとめ
妊娠初期に下腹部痛が起きる原因は3つです。
・ホルモンバランスの変化
・胎児の成長
・卵巣の腫れ
妊娠初期に下腹部を起こさないためにも、以下3点の対策を行いましょう。
・安静にする
・温める
・生ものを控える
また妊娠初期の下腹部痛は、切迫流産の可能性も考えられるため、
・性器出血
・褐色のおりもの
・下腹部の張り
などの症状が併発している場合は、一刻も早く医療機関で受診しましょう。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー