2024年8月2日
妊娠初期

妊娠初期に下腹部痛が起こる3つの原因とは?対策や経験談も紹介

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「妊娠してから下腹部が痛む」「なぜ痛むのか考えると不安」と悩んでいませんか。

女性にとって妊娠出産は人生の一大イベントであり、特に初めての妊娠ではちょっとした体調の変化などで誰でも不安になるものです。

あなたと同じように、妊娠初期に腹痛を感じる人は多いといえるでしょう。

株式会社ゼネラルリンクが妊娠経験者に対して行った調査によると「約9%」の妊婦さんが妊娠初期症状として腹痛を感じたといわれているからです(※1)。

しかし、なかにはあなたや胎児に悪影響のある下腹部痛もあります。

そこで、この記事では以下の内容を解説していきます。

・妊娠初期に下腹部痛が起きる3つの原因
・妊娠初期における下腹部痛対策【3選】
・注意すべき下腹部痛の症状

この記事を読むと、安心して妊娠生活を送れるようになりますよ。

出典:(※1)PR TIMES|株式会社ゼネラルリンク「妊娠初期症状・つわりに関する調査!76.8%は「日常生活に支障がある」【赤ちゃんの部屋】」

【体験談】私が妊娠初期に感じた下腹部痛

母子手帳を手にした数日後「あれ?なんか痛い」「今日もお腹が痛い」とお腹にムズムズした違和感を感じるようになりました。

「そろそろ生理かな」といった痛みに近いような感じでもあり、合わせて腰も痛いような感覚。

何ともいえない、ずしんと重い違和感でした。

一度痛みを感じると神経は下腹部に集中し、1日の大半を下腹部に支配され、トイレに行くたび出血していたらどうしよう。

そればかり考え、無駄にトイレを行ったり来たり。

そのときはまだ妊娠初期のため、カレンダーを見ても健診日はまだまだ先。

しかし心配と不安は増すばかり。

健診日に先生に相談し、他の異常や赤ちゃんの状態に問題がないことを見ていただいたうえで、

・子宮が大きくなるので多少痛みを感じること
・下腹部に違和感を感じることがある
・妊娠初期によく見られる症状

といったことを説明されました。

いずれも「少し休んでおさまる、出血もないようであれば様子見で大丈夫」とのことでした。

とはいえ、痛みの感じ方や症状は人それぞれのため、少しでも不安になったり、心配な場合は、自己判断せずに早めの受診がおすすめです。

妊娠初期に下腹部痛が起きる3つの原因

なぜ妊娠初期に下腹部痛が起きるのか、原因は大きく分けて3つあります。

・ホルモンバランスの変化
・胎児の成長
・卵巣の腫れ

順番に見ていきましょう。

原因1.ホルモンバランスの変化

妊娠をすると以下3種類のホルモンバランスが変わるため、下腹部痛を引き起こす場合があります。

・エストロゲン(卵胞ホルモン)
・プロゲステロン(黄体ホルモン)
・hCG(ヒト絨毛ゴナドトロピン)

これらのホルモンは、腸の働きをおさえる作用があるため、便秘や下痢など腹痛の原因になりやすいといえます。

原因2.胎児の成長

妊娠すると、赤ちゃんの成長に伴って子宮も大きくなります。

子宮が大きくなると、子宮の筋肉が引き伸ばされて、痛みや違和感を感じることがあります。

また、子宮を支えている靭帯が引っ張られることでも、痛みを感じやすいです。

原因3.卵巣の腫れ

妊娠初期に卵巣が腫れて腹痛を感じる人もいます。

多くはホルモンの影響によって卵巣に液体がたまることによるもので「16週ごろ」までに自然に消えることが多いです(※2)。

出典:(※2)医療法人社団 冬城産婦人科医院「妊娠中に認められた卵巣腫瘤の対応 」

妊娠初期における下腹部痛対策【3選】

下腹部痛はつらく耐えがたいと感じるときもありますよね。

ここでは、私が実際に実行した方法や他の妊婦さんが実践した対策を3つ紹介します。

・安静にする
・温める
・生ものを控える

順番に見ていきましょう。

対策1.安静にする

痛みがある場合は、とにかく安静にして休憩を取りましょう。

外出中なら座って荷物を置いたり、横になれるようなら横になるのがベスト

できる限り長時間での立ち仕事を控えるのが望ましいです。

対策2.温める

妊娠すると、子宮が徐々に大きくなる準備をするために少しずつ骨盤を圧迫します。

そのため骨盤まわりの筋肉は硬くなって血行が悪くなり、冷えに繋がる場合があります。

冷えは体の機能を低下させやすいので、なるべく体を温める工夫をしましょう。

たとえば湯船に浸かると、全身の血行がよくなり冷えに対して効果があります。

「約38〜40度」のぬるめのお湯に「10分程度」浸かるのがおすすめです(※3)。

ただし熱過ぎるお湯や長湯は、貧血や疲労の原因になるため注意しましょう。

出典:(※3)福島県伊達市役所「お風呂のすすめ」

対策3.生ものを控える

妊娠時は抵抗力が低下するため、食中毒にかかりやすくなります。

食中毒による下腹部痛を防ぐために「生もの」の摂取は避けたほうが無難でしょう。

とくに「生肉」にはトキソプラズマという寄生虫が潜んでいる場合があるため、注意が必要です(※4)。

最悪の場合、以下の症状が引き起こされるリスクがあります。

・流産や死産、早産
・脳症や水頭症、発育不全、精神遅滞、視力障害など

ほかにも「生卵」「刺身」なども控えたほうがよいでしょう。

出典:(※4)内閣府 食品安全委員会「寄生虫による食中毒にご注意ください」

妊娠初期の下腹部痛は切迫流産の可能性も

妊娠初期に起こる下腹部痛にくわえて、以下の症状がみられる場合は切迫流産の可能性があります。

・性器出血
・褐色のおりもの
・下腹部の張り

切迫流産とは、流産しかかっている状態です。

とくに妊娠初期である「妊娠12週」までに起こりやすいといわれています(※5)。

まだ妊娠継続が可能な状態であるため、上記の症状がみられる場合は早急に医療機関で受診しましょう。

出典:(※5)一般財団法人 女性労働協会 働く女性の心とからだの応援サイト 妊娠出産・母性健康管理サポート「切迫流産(妊娠22週未満)」

まとめ

妊娠初期に下腹部痛が起きる原因は3つです。

・ホルモンバランスの変化
・胎児の成長
・卵巣の腫れ

妊娠初期に下腹部を起こさないためにも、以下3点の対策を行いましょう。

・安静にする
・温める
・生ものを控える

また妊娠初期の下腹部痛は、切迫流産の可能性も考えられるため、

・性器出血
・褐色のおりもの
・下腹部の張り

などの症状が併発している場合は、一刻も早く医療機関で受診しましょう。

チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは

うまれてくる赤ちゃんやその家族のために、おなかに赤ちゃんがいる時しか準備できないことがあるのをご存知ですか?

それが「さい帯血保管」です。

さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。

この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。

このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。

保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。

しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。

採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。

民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる

さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の白血病などの治療のために寄付することができます。

一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。

現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。

ステムセル研究所は、国内シェア約99%を誇る国内最大の民間さい帯血バンクです。

ステムセル研究所が選ばれる理由

・1999年の設立以来20年以上の保管・運営実績あり
・民間バンクのパイオニアで累計保管者数は7万名以上
・全国各地の産科施設とのネットワークがある
・高水準の災害対策がされた国内最大級の細胞保管施設を保有
・厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得
・2021年6月東京証券取引所に株式を上場

詳しい資料やご契約書類のお取り寄せは資料請求フォームをご利用ください。

さい帯血を保管した人の声

■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)

■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)

※ほかの保管者の声はこちらから

▼さい帯血保管について、もっと詳しく

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

出産に備える
大切な情報