妊娠中の体重増加目安に新ルール?健診をしっかり受けて体調管理を。

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

妊娠おめでとうございます。
つわりはおさまりましたか?初めての妊娠でつらいつわりと戦って、おなかの中の赤ちゃんの動きを感じられるようになると妊娠した実感がわいてきますね。
妊娠中は赤ちゃんの健康はもちろん、お母さん自身の体調を整えていなければなりません。
つわりをはじめ、様々な不調が出やすい妊娠期間です。

定期的に産婦人科の健診に通って医師にアドバイスをもらいながら上手に体調管理をしましょう。

◯妊婦健診の頻度と内容

妊娠発覚から出産までだいたい以下のような頻度で産婦人科に通い妊婦健診を受けます。

妊娠発覚、初診〜妊娠3ヶ月(〜11週)…2週に1度程度
妊娠4ヶ月〜妊娠6ヶ月(12〜23週)…4週に1度
妊娠7ヶ月〜9ヶ月(24〜35週)…2週に1度
妊娠10ヶ月(36週)〜出産…週に1度

毎回の健診でお母さんの体調と赤ちゃんの発育状態を調べるために尿検査、体重測定、血圧測定、子宮底長や腹囲の測定(または、超音波検査)が行われます。

【妊娠初期】

子宮内に胎嚢が確認でき、胎芽(胎児)とその心拍が確認できると妊娠確定となります。
健診で赤ちゃんの大きさを測定して出産予定日を決めます。
お母さんの子宮頸がん検診や、性感染症のチェック、血液検査で血糖値のチェック、風疹やHIV等の抗体があるかを調べます。

【妊娠中期】

赤ちゃんの発育をみたり、羊水の量、胎盤の位置等をチェックしたりします。
お母さんの体重管理や妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病がないかのチェックもします。
腰痛や便秘、浮腫、こむら返りなど思いがけない体調の変化も出てくるので、心配な場合は健診で相談をしましょう。

【妊娠後期】

引き続き赤ちゃんの発育や羊水の量、胎盤の位置等チェックし、赤ちゃんが逆子になっていないかも調べます。
お母さんはおなかが張っていないか、子宮頸管が短くなっていて早産の危険がないかどうかもみます。
健診ではおっぱいのケアや早産の兆候、ここからどんどん増えてしまう体重の管理のアドバイスなどをきき、出産に備えます。

【臨月】

正期産になるとお母さんの体調、お腹の張り具合や子宮口の開き具合、赤ちゃんの心拍を確認するため週に1度の健診になります。

◯妊娠中の体調不良

上記にもありますが、妊娠するとつわりはもちろんのこと妊娠前にはなかった体調の変化があります。

・動悸や貧血

血液の量が増え心臓にも負担がかかるため起こります。

・ひどい眠気や皮膚のトラブル

ホルモンの影響で眠気や肌荒れ、色素沈着などが起きることがあります。

・便秘と頻尿

子宮が大きくなってくると腸や膀胱が押されて便秘や頻尿になります。ひどい便秘が続くようであれば妊娠中でも飲める薬を処方してもらうと安心です。

・腰痛

骨盤周りの組織を緩めて赤ちゃんがスムーズに骨盤を通れるようにリラキシンというホルモンが出ることにより、妊娠初期から腰痛があらわれることがあります。また妊娠後期では体重増加に伴ってさらに腰痛がでやすくなります。

・妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病

妊娠中特有の症状で直接的な原因はわかっていませんが、急な体重増加やもともと糖尿病や高血圧、肥満の人、40歳以上の人などに起こりやすいと言われています。

その他にも普段とは違う体調の変化もあらわれます。お仕事をされていると難しいですが、なるべく体に無理のないよう日常生活を管理してのんびりした妊娠期間を過ごしましょう。
また急激な体重増加にならないよう体重管理をすることがお母さんにも赤ちゃんにとっても大切です。

◯適正な体重は?

毎回の健診で計測する体重。
体重が増えすぎてしまうと妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病を招く可能性があります。
さらに分娩時に微弱陣痛になったり、出血が増える、脂肪がつき過ぎて産道が狭くなる事により難産、帝王切開になったり、巨大児(4000g以上)、赤ちゃんの神経疾患の頻度が増えるといった様々なトラブルがあります。
まずは妊娠前の自分のBMIを知って、それに応じた体重管理の目安を確認しましょう。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

妊娠前の体格 BMI数値 体重増加指導の目安
低体重(やせ) 18.5未満 12〜15kg
普通体重 18.5以上25.0未満 10〜13kg
肥満(1度) 25.0以上30.0未満 7〜10kg
肥満(2度以上) 30.0以上 個別対応で上限5kgまで

◯妊娠中に体重はなぜ増える?

妊娠中に増えていく体重の正体は、もちろん約3kgほどある赤ちゃんの他に
胎盤(約0.5kg)、羊水(約0.5kg)
大きくなった子宮、おっぱい、妊娠中に増えた血液(約3kg)
さらに妊娠中にホルモンの影響で増える水分や脂肪もあります。
出産後には母乳の生産量を増やすための余剰な脂肪分を必要になります。
増え続ける体重を管理するのに焦ってしまうお母さんもいるでしょうが、やはり脂肪が増えるのは赤ちゃんを健康に育てるためには仕方のないことです。

◯体重増加を気にしすぎてはいけない人

厚生労働省が2006年に「妊産婦のための食生活指針」で妊婦の体重の目安を示していて、それに基づいて産婦人科の医師たちは体重管理の指導をしてきました。
ところがこの体重の目安はお母さんの体調を基本に考え妊娠高血圧症候群等にならないための基準であり、赤ちゃんの低体重については考慮されていませんでした。実は日本は世界的にみても2500g未満の低体重児が産まれる割合が高く、40年間で1.8倍に増えているという異例の事態なのです。

胎児期の発育が不十分だった場合、成人後に肥満、循環器疾患、2型糖尿病などの生活習慣病の発症リスクが高まる可能性が多いとされています。
2021年に見直しがなされ「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針〜妊娠前から健康なからだづくりを〜」と改定されたのです。

自分のBMIを確認して低体重(やせ)になってしまったお母さんは過度な体重管理をせず、つわりが落ち着いて体調がよくなってきたら栄養バランスよく食べてしっかり体重を増やしましょう。

◯さいごに

妊娠中は今までに経験したことのないような体調の変化、体重の増加があり不安に感じるお母さんも多いのではないでしょうか。
いつ頃にどんな変化が起こるかを知り、少しでも不安に思ったら健診でしっかりと医師・看護師に相談をして上手に体調を管理しましょう。

我慢することもたくさんありますが、かわいい赤ちゃんにあえるまでもう少し!
皆さんのご出産を応援しております。

 

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント!

  1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
  2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
  3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
  4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
  5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」

株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。

ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

どうやって保管するの?
ステムセル
研究所
出産時に産科施設で採取されたさい帯・さい帯血は、ステムセル研究所の高レベルのクリーンな環境で専門スタッフが処理・検査を行います。国内最大級の細胞保管施設にて、約-190℃の液体窒素タンク内で長期間大切に保管されます。また、ステムセル研究所は厚生労働省(関東信越厚生局)より「特定細胞加工物製造許可」を取得しており、高品質と安全性を実現しています。
保管したさい帯血は何に使えるの?
ステムセル
研究所

国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

さい帯・さい帯血保管は高いと聞いたのですが…
ステムセル
研究所
さい帯またはさい帯血のどちらか一方を10年間保管する場合、月々2,980円(税込)で保管することができます。出産時にしか採取・保管することができない貴重な細胞なので、お子さまの将来に備えて保管される方が増えています。

無料パンフレットをお送りします!

さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。

赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー