妊娠期間中は常に赤ちゃんと一心同体。
「口に入る食べ物や飲み物が赤ちゃんの身体をつくります」と聞くと、妊婦さんはどんなものを摂った方が良いのか、摂らない方が良いのか、気になりますよね。
今回は、特に妊婦さんが気にしたい飲み物について
■妊婦さんのNG飲み物
■妊婦さんが注意したい飲み物
■妊婦さんにおすすめの飲み物
と、その理由をご紹介します。
妊娠生活中に摂る飲み物で悩んでいる人は、参考にしてくださいね。
【妊婦さんのNG飲み物】アルコール
妊娠がわかってから、一番に気をつけたい飲み物がアルコールです。
妊娠中にアルコールを摂ってはいけない理由や、アルコールが好きな人の対策を紹介していきます。
妊婦さんがアルコールを摂ってはいけない理由
アルコールは胃腸で吸収された後、血液中に溶け込み、胎盤を通して胎児に悪影響を与えます。
胎児はアルコールを代謝する能力がほとんどないため、発育遅延やFAS(胎児性アルコール症候群)になる可能性があるのです。
FASは中枢神経に障害が出たり、発達の遅れや学習障害がみられたりするもので、治療法はありません。
どのくらいの摂取量で発症するかはわかっていませんが、妊婦さんがアルコールを飲まなければ防ぐことができます。
健康な赤ちゃんを出産するためにも、アルコールの含まれた飲み物は口にしないよう気をつけましょう。
産後も授乳中はアルコールNG
同じく出産した後の授乳中もアルコール飲料は控えましょう。
母乳は母体の血液から作られるため、摂取したアルコールは微量でも母乳に含まれます。
【対策】ノンアルコール飲料を楽しむ
アルコールがまったく含まれていないノンアルコール飲料も数多く販売されています。
私が出産した病院では、お祝い膳にノンアルコールスパークリングワインが出たのですが、一緒に飲んだお母さん方と「本当にノンアルコール?飲んでも大丈夫?」と心配するくらい本格的なワインの味でした。
お酒が好きな女性も多いと思いますが、成分表示をよく見て、妊娠中や授乳中はノンアルコールで「飲んだ気分」を楽しみましょう。
【妊婦さんが注意したい飲み物1】カフェイン飲料
妊婦さんが飲み過ぎに注意したい飲み物のひとつは、カフェインが含まれている飲み物です。
カフェインを含む飲み物とその含有量について、厚生労働省が示したものが下記のとおり。
飲料名 | カフェイン含有量/100ml中) |
コーヒー | 60mg |
エナジードリンク | 30~50mg |
緑茶 | 20mg |
紅茶 | 30mg |
ほうじ茶 | 20mg |
ココア | 10mg |
コーラ | 10mg |
出典:食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~|厚生労働省
上記のようにカフェインが含まれる飲み物は、コーヒーだけではありません。
日常的に口にしている飲み物にも、案外カフェインが含まれているのです。
エナジードリンクにはとても多くのカフェインが含まれているものもあるため、成分表示をチェックしてくださいね。
とくに気をつけたいのが「玉露」です。
玉露入りの緑茶など、気にせず飲んでしまいがちですが、玉露にはコーヒーより多くのカフェインが含まれているため、注意しましょう。
妊婦さんがカフェインの摂り過ぎに注意すべき理由
赤ちゃんはカフェインを上手に排出できないため、身体の中に長い時間留まってしまい、早産や発育不全の原因になると言われています。
さらに、お母さん自身の鉄分やカルシウムの吸収も妨げてしまいます。
世界保健機関(WHO)では、妊婦さんの1日のカフェイン摂取量を200mg~300mg程度(マグカップ=約2杯)にするよう求めています(※1)。
(※1) 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~|厚生労働省
妊婦さんはカフェインレスコーヒーを楽しもう
妊婦さんでも、コーヒーブレイクしたいですよね。
絶対に口にしてはいけないものではありませんが、量に気をつけて楽しみましょう。
コーヒー好きな妊婦さんにおすすめするのは「カフェインレス」「デカフェ」といったカフェインが大幅に除去されたコーヒーです。
カフェインレスやデカフェでも、おいしいコーヒーはたくさん存在します。
コンビニやコーヒーショップなどで販売されているため、気になる人は探してみましょう。
【妊婦さんが注意したい飲み物2】糖分の多い飲み物
妊娠中は胎盤から出るホルモンの関係で血糖の調節を行うしくみがうまく働かず、妊娠糖尿病になってしまうケースがあります。
妊娠糖尿病を予防するためにも、多量の糖分を摂らないように気をつけましょう。
ジュースや炭酸飲料には驚くほど多くの糖分が含まれ、さっぱりした甘さの清涼飲料水でも500mlのペットボトル1本の中には、スティックシュガー10本以上の糖分が含まれているものも。
つわりのときは、どうしても炭酸ばかり飲みたくなりますよね。
つわりのときには、糖分の含まれていない炭酸水で代用してみましょう。
【妊婦さんにおすすめの飲み物】麦茶
「アルコール、カフェイン、糖分といちいち気にしたくない」という妊婦さんに、おすすめする飲み物があります。
それは「麦茶」です。
ノンカフェインというだけでなく、水と比べてミネラルも摂れるため、暑さで汗をたくさんかく夏にも、おすすめの飲み物です。
冬にはおなかを冷やさないように、ぜひホットで。
香ばしい香りと温かみで落ち着きますよ。
妊婦さんが飲み物からとるべき水分量
人間は1日に2.5Lの水が必要です。妊娠中は羊水や胎児に送る血液量増加のために多くの水分が必要となります。
また、妊娠中は汗をかきやすくなるため、普段よりも多めに水分を摂ることが大切です。
食事からの水分摂取を考えると、1日に飲み物から摂る水分量は最低2Lが目安です。
一気に飲むと胃に負担をかけてしまい、むくみも生じやすくなるため、水を飲むペースは1回200ml程度を目安にしましょう。
喉が渇くのは水分が足りていないサインです。
こまめな水分補給を心がけましょう。
水分が足りていないと脱水症状を起こすことがあります。
また、便秘の原因にもなります。
適切な水分補給は、血流をよくし、体内の老廃物を排出して新陳代謝を促します。
まとめ
妊娠中のアルコール摂取は、発育遅延やFAS(胎児性アルコール症候群)など、胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため厳禁です。
妊娠中はカフェインが多く含まれる飲み物や糖分の多い飲み物に注意が必要です。
カフェインは早産や胎児発育不全の原因になることがあります。糖分の摂りすぎは妊娠糖尿病の原因になります。
妊娠中のこまめな水分摂取はとても大切です。
麦茶などノンカフェインの飲み物を1回200ml程度、1日2Lを目安に摂るようにしましょう。
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※ほかの保管者からの声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
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▼さい帯血保管について、もっと詳しく▼
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー