体重だけが成長じゃない!新生児の成長に大切なこと

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

出産後2週間から2カ月にかけては、お母さんの育児不安が強くなる時期です。
入院中は、わからないことがあっても病院の先生や助産師さんに聞くことができました。しかし、退院してからは正解もわからずに、赤ちゃんと2人きりの時間が長く、不安が募っていくものです。
そして生後1カ月の健診までは、ほとんど外出することもなく過ごすので、気持ちや状況を共感してもらえる機会も少ないはずです。そんな産後のお母さんのために、新生児期の過ごし方や成長に大事なことをお話しします。

新生児ならではの特徴

新生児は、生まれて28日までの赤ちゃんを指します。
おなかの中から出てきた途端、グングン成長していく赤ちゃん。まだ昼夜の区別はなく、1日の大半を寝て過ごします。それに合わせて、お母さんもこの時期は昼夜問わず1~3時間間隔で授乳をすることになります。起きている間はおっぱいを飲んでいるような生活です。産後のお母さんには大変な時期ですが、眠れるときに睡眠をとっていきましょう。
また、新生児期ならではの動きとして「原始反射」があります。これは成長とともになくなっていく動きです。
大きな音がしたときにびっくりしたように両手を広げる「モロー反射」
赤ちゃんの手に指を当てると手でぎゅっと握る「把握反射」
赤ちゃんの口に指を入れると吸いついてくる「吸てつ反射」
このように本能的な行動がみられます。この時期の赤ちゃんは、小さな体で精一杯、外の世界に適応しようとしているのです。

体重を気にしすぎていませんか?

生まれてから毎日数十gずつ体重が増加して、1カ月後には1kgほど体重が増える新生児。入院中も毎日体重をチェックしていたため、退院後もちゃんと成長しているのか心配になりますよね。母乳が足りているのか。ミルクを足した方が良いのか。
しかし、まだ胃袋の小さな新生児。たくさんは飲めませんから、飲んでは排泄、その繰り返しで少しずつ吸収していると思って付き合ってください。日々の体重に一喜一憂する必要はありません。
また生後1カ月くらいまでは、授乳量に個人差があるため、授乳の回数や間隔、量を細かく気にする必要はありません。赤ちゃんのおしっこやうんちのペースが変わらずに、飲んだり寝たりを繰り返して、時に機嫌の良さそうな声を出していれば心配ありません。泣いている時は抱っこしておっぱいをあげ、おむつを替える、この基本的な育児がこれからの愛着形成にとても大切な行動なのです。

これが大事!!アタッチメントの重要性

赤ちゃんが泣いて、お母さんが抱っこする。そしておっぱいをあげる。おむつを替える。この行為は、日々の作業のように繰り返されますが、実は赤ちゃんのアタッチメント(愛着)を作っていきます。
英国の児童精神科医のJohn Bowlbyは、特定の愛着の対象(主に母親)との持続的で愛に満ちた関係性こそが心身の発達にとって最重要であるとする愛着理論を提唱しました。アタッチメントがその後の人生において、人を信用していくことや自分を大切に感じられる感覚を作り、自己肯定感に大きく影響していくとされています。
特に生まれてから3カ月は愛着形成の基礎であり、重要な時期なのです。

新生児期から乳幼児期にかけての愛着形成

月齢ごとに愛着形成には段階があります。今回は3つに分けてご紹介していきます。

①誕生~3カ月

新生児は不快感だけに反応します。
最初の3カ月に何度となく繰り返される抱擁、授乳、おむつ替え、入浴などの行動により、不快感が取り除かれ、安心感と安全感を体得します。この体験を通して、匂いや声など母親の温もりを感じて覚えていきます。そして、これらが愛着の基礎となります。初めのうちは反応が少ない赤ちゃんですが、泣いたら抱っこされるといった体験を積み重ねていくことが大切なのです。

②3カ月〜2歳

母と子の双方向の働きかけで、愛着が確実に形成されていきます。
1歳頃までの乳児に最も重要な発達課題は基本的信頼の獲得です。お母さん(養育者)に愛情と信頼を寄せることです。これがパーソナリティ形成の基礎となります。
生後3カ月から2歳頃までの乳幼児は母親の保護と愛情を求めて、泣く、笑う、抱きつく、後追いするなどの愛着行動を盛んに行います。このように自分に向けられた愛着行動やその対応で安心した乳児の様子によって、母親も子供への愛着を深めていきます。

③3歳以上

母親との身体的接触が減る一方で、意思や感情のやりとりが可能になり、母と子が協調して行動できるようになります。今までの愛された記憶から自尊心を持って1人で何かするようになっていきます。3歳までの母親との愛着関係の中から、言葉やコミュニケーション能力、共感性など、生きていくために大切な能力を獲得することができます。
5歳までが自然に愛着を結ぶことができる時期です。

まとめ

新生児の特徴や成長、アタッチメントの重要性についてご紹介してきました。
生まれて間もない弱い存在を「生かしていく」ために育児を頑張るお母さんたち。日々、一生懸命にやっていることは目の前にいる赤ちゃんの「これからの土台」を確実に作っています。
そして、それは同時にお母さん自身の土台でもあるのです。初めてなら少し上手くいかないことがあるのは当たり前。不安なのも当たり前です。お母さんも赤ちゃんと一緒に毎日少しずつ成長していくのです。新生児にだって伝わっていますよ。たくさん抱っこして、お母さんの声で話しかけてみてください。

 

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント!

  1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
  2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
  3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
  4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
  5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」

株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。

ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

どうやって保管するの?
ステムセル
研究所
出産時に産科施設で採取されたさい帯・さい帯血は、ステムセル研究所の高レベルのクリーンな環境で専門スタッフが処理・検査を行います。国内最大級の細胞保管施設にて、約-190℃の液体窒素タンク内で長期間大切に保管されます。また、ステムセル研究所は厚生労働省(関東信越厚生局)より「特定細胞加工物製造許可」を取得しており、高品質と安全性を実現しています。
保管したさい帯血は何に使えるの?
ステムセル
研究所

国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

さい帯・さい帯血保管は高いと聞いたのですが…
ステムセル
研究所
さい帯またはさい帯血のどちらか一方を10年間保管する場合、月々2,980円(税込)で保管することができます。出産時にしか採取・保管することができない貴重な細胞なので、お子さまの将来に備えて保管される方が増えています。

無料パンフレットをお送りします!

さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。

赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー