世界の出産事情 無痛分娩の割合は? 日本の無痛分娩の割合が低い理由

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

<欧米では主流!?無痛分娩>

日本ではまだあまり普及していない無痛分娩ですが、出産に占めるその割合は近年増加しており、無痛分娩という出産方法が少しずつ認知されてきています。

芸能人の釈由美子さんや東尾理子さんも無痛分娩を経験され、その体験談をブログに綴っています。2018年には英国のキャサリン妃が無痛分娩で出産し、産後7時間で退院したことで無痛分娩は産後の回復が早いのではないかと注目を浴びました。欧米では既に無痛分娩が主流となっている国も少なくありません。

日本における無痛分娩の割合は、フランスやアメリカなどと比較するとその割合は低く、加えて欧米では、帝王切開の割合も高いので(例えばアメリカではおよそ30%)麻酔を使用する出産は、全体の7割以上になると言われております。

無痛分娩の割合が高い国は、アメリカ、カナダ、フランス、イギリス、ベルギー、スウェーデン、フィンランドなど、北米やヨーロッパの国々であり、無痛分娩が一般的に行われております。しかし欧米でも無痛分娩の割合は国により状況が異なり、イタリアやドイツ、ギリシャなど、比較的割合が低い国もあります。

アジアではイスラエルやシンガポール、韓国では、比較的無痛分娩の割合が高く、その一方、中国や日本は世界的に見ても無痛分娩の割合が低いと言われております。しかし中国は、帝王切開による出産の割合が60%以上と圧倒的に高く、麻酔を使用した出産の割合として見れば、欧米と同様7割にも及ぶと言われております。

<欧米で無痛分娩の割合が高くなっている理由>

アメリカやフランスで無痛分娩の割合が高くなっている背景には、産後の入院期間の短さがあります。

欧米の多くの国では出産費用が社会保障によってまかなわれているため、産後の入院期間が日本に比べてとても短いのです。英国のキャサリン妃のように出産の当日や出産の翌日に退院することも少なくないそうです。

そのため、自然分娩よりも母体にかかる痛みやストレスが少なく産後の母体の回復スピードの速い無痛分娩が主流になっているのです。

また、欧米では大規模な分娩施設に専門の麻酔科医がいて、産科医、助産師、麻酔科医がチーム医療を行っており広く無痛分娩が行われています。このように安全に無痛分娩ができる環境が整っていることも無痛分娩の割合が高くなっている理由です。

<なぜ日本では無痛分娩の割合が低いの?>

一方、日本では1施設当たりの分娩数が少ないために無痛分娩を担当する麻酔科医を常時配置することが困難であり、そのことが無痛分娩の割合が低い理由の1つだと言われています。

そしてこれは医療事故のリスクにも繋がっています。麻酔科医のいない小規模な分娩施設では産婦人科医が無痛分娩を担当します。しかし安全で質の高い無痛分娩を提供するためには産科麻酔に理解のある麻酔科医の関与が不可欠です。専門の医師の不足によりリスクが生じた場合の対応が遅れてしまうことが懸念されています。2017年4月に厚生労働省からも「緊急時に対応できるよう十分な医療体制を整えるよう求める」緊急提言が出されました。無痛分娩は専門性が高いため、緊急対応ができる施設で行うことが好ましいとされています。

また、無痛分娩の割合が低い理由に施設や費用面の問題も挙げられます。無痛分娩を希望していても近くに対応できる施設がない、分娩予約がなかなか取れないなどの理由から無痛分娩を選択できないことも要因のひとつになっているようです。

また、費用面においても無痛分娩は、通常の分娩費用の他に無痛分娩の管理料や麻酔料等がかかることもあり、施設によっては分娩費用が高額になってしまうこともあり、費用面で断念する方も少なくないと思われます。

さらに、日本の無痛分娩の割合が低い理由に「忍耐を美学とする国民性」が挙げられます。「痛みに耐えてこそ出産」、「痛みを伴わない出産では赤ちゃんに愛情が湧かない」、「無痛分娩なんて甘えている」等の考え方が日本の無痛分娩の割合の低さに影響を及ぼしているようです。

妊婦さん自身は無痛分娩を希望しているのに周囲の圧力や無理解から無痛分娩に踏み切れなかった妊婦さんもいらっしゃるようです。出産時の痛みの有無と母子間の愛情には医学的根拠などありません。

むしろ無痛分娩を経験された方の中には「痛みを抑えることでストレスが軽減され落ち着いて出産することができ、出産直後に穏やかな気持ちで愛情を感じながら我が子を抱くことが出来て良かった」という感想をお持ちの方もいらっしゃいます。

<無痛分娩という選択肢>

無痛分娩とは麻酔で分娩時の痛みを和らげ出産に対する恐怖心やストレスを軽減させる出産方法です。欧米では無痛分娩が主流になっていますが、日本では施設や専門の医師の不足から出産に占める割合はまだまだ低いのが現状です。

しかし、その割合は年々増加傾向にあり、少しずつ注目を集めています。また実際に経験した方の7割近くが無痛分娩に満足しているというデータもあり、今後も希望する方が増えていくことが予想されます。麻酔を使用する出産なのでリスクがないとは言い切れません。

無痛分娩を希望される方は正しい情報を得て判断されることが大切です。

ライフスタイルが多様化する現代において、出産方法も自由に選択できるようになると良いと思います。全ての妊婦さんがご自分の望む出産を迎えられるようになることを願っています。そして、無痛分娩が安全に普及することに期待したいと思います。

 

赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?

赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。

幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。

さい帯・さい帯血保管のポイント!

  1. 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
  2. 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
  3. どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
  4. 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
  5. それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。

実際に保管・利用した方のお声

出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま

さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています

元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。

さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。

その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。

医師からのメッセージ


総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生

応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療

近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。

さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」

株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。

ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

どうやって保管するの?
ステムセル
研究所
出産時に産科施設で採取されたさい帯・さい帯血は、ステムセル研究所の高レベルのクリーンな環境で専門スタッフが処理・検査を行います。国内最大級の細胞保管施設にて、約-190℃の液体窒素タンク内で長期間大切に保管されます。また、ステムセル研究所は厚生労働省(関東信越厚生局)より「特定細胞加工物製造許可」を取得しており、高品質と安全性を実現しています。

保管したさい帯血は何に使えるの?
ステムセル
研究所

国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

さい帯・さい帯血保管は高いと聞いたのですが…
ステムセル
研究所
さい帯またはさい帯血のどちらか一方を10年間保管する場合、月々2,980円(税込)で保管することができます。出産時にしか採取・保管することができない貴重な細胞なので、お子さまの将来に備えて保管される方が増えています。

無料パンフレットをお送りします!

さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。

赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー