陣痛と下痢の見分け方とは?違いや出産が近いと起こりやすい理由も紹介

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「出産予定日が近づくにつれて、下痢をするようになった」「陣痛と下痢の違いを見分けられるだろうか」と不安になっていませんか。

たしかに、陣痛と下痢は見分けがつきにくいといえるでしょう。

しかし陣痛と下痢には、痛み方や痛む間隔など違いがあるのです。

この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。

● 陣痛と下痢の見分け方
● 出産が近いと陣痛下痢 がが起こりやすい3つの理由
● 陣痛と下痢の体験談

この記事を読むと、陣痛と下痢の見分け方がわかり、安心して出産に望めるようになりますよ。

 

勘違いしやすい!陣痛と下痢の見分け方

出産間近になるとお腹の痛みに敏感になりますが、どの痛みが陣痛なのか見分けることに不安を感じていませんか。

普段から下痢を起こしやすい人は余計に痛みの違いが分かりづらいかもしれません。

今回は陣痛と下痢の見分け方を解説します。

陣痛の始まりは腹部の下の方で痛みだすため下痢の痛みによく似ています。

また、実際に下痢から陣痛が始まるというパターンもあるので同時に痛みが起こっている可能性もあります。

痛みを感じ始めたら痛みと痛みの間隔の時間を測ります。

陣痛であればじきに規則的に痛みだすのが普通です。

10分間隔つまり1時間に6回ほど痛むのであれば陣痛の可能性が高いでしょう。

 

出産が近いと下痢が起こりやすい2つの理由

出産が近いと下痢が起こりやすい理由は大きく2つあります。

● ホルモンバランスの影響
● つわりの影響

理由1:ホルモンバランスの影響

毎月の月経を止め、妊娠を続けるために必要なホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)は妊娠中の体に様々な変化をもたらします。

実は下痢もプロゲステロンの分泌によって引き起こされる症状です。

逆に便秘になることも多いのですが、プロゲステロンにより胃腸の筋肉が緩んだりぜん動運動が弱まったりする ことが排便の不調をもたらすことがわかっています。

理由2:つわりの影響

つわりは妊娠初期にみられるものが多いですが、臨月になってつわりがみられることもあります。

大きくなった胎児のおかげで子宮も大きくなり、周りの臓器を圧迫してきます。

胃や腸が圧迫されるために吐き気や下痢を引き起こすこともあります。

 

【体験談】陣痛と下痢と出産

「私では力が足りないわ、男の先生呼んできて」少し分娩室が慌ただしくなったのを感じました。

やがて男性医師が登場し、吸引分娩の準備が始まりました。

「いきますよ。ひっひっふー」

それにあわせて、キューンという吸引機の音が響きます。

私の隣にいた看護師さんが「ご主人、奥さんの背中を支えてあげて」と言ったのと同時に私の上半身が持ち上がります。

膝の向こうがちらりと見えて驚愕。

吸引機の周りが血だらけだったのです。

見えてきたのは下痢の残骸。

聞いてはいたけれど、赤ちゃんは下痢便、尿、血液にまみれて生まれてくるとはまさにこのことなのかと思いました。

「膝の向こうの先生たちは、いつもこんな風景と向き合ってくれているのか」と感動したことを覚えています。

「赤ちゃん大きそうだね。ここも切ってもう1度いきますよ。ひっひっふー」呼吸をするも出てきません。

「用意して」と男性医師が指示を出します。

次の指示が出る前に私は声を絞り「も、もう一回お願いします」ホワイトアウト寸前でした。

背中を抑える主人の手がかすかに震えているのがわかります。

「いきますよ。ひっひっふー」

雄たけびと同時に赤ちゃんが出てきたのがわかりました。

「やっと会えた」と思った赤ちゃんだったが、真っ黒に見えました。

汚物まみれだったのか全身チアノーゼだったのか、すぐに分娩台の向こうに連れていかれて処置を受けた様子でした。

そして「あれ、泣かない」と思ったときは主人の手は私の背中から離れ、立ちつくしていました。

何分も待たされた気がしました。

しばらくすると「おぎゃ~」とが聞こえました。

3724g54㎝のビッグベイビーでした。

 

まとめ

陣痛は未知の痛みなので、下痢による腹痛と勘違いする人もいるでしょう。

陣痛の場合は1分間ほど続く痛みが規則的にやってくるようになるため時間を測れば気付くことができます。

ただし本当に出産前の兆候として下痢をともなう人もいるので難しいところですが、下痢だと思っていて自宅出産となることは避けなければなりません。

気になる痛みが続いた場合は病院に問い合わせてみることが必要です。

病院の方々はこのような事例をたくさん経験しているため恥ずかしく思うことはありません。

不安を無くして良い出産を迎えましょう。

 

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この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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