自分は無痛分娩で出産できるのだろうかと疑問に思っていませんか。
自身の体調や健康状態によっては、無痛分娩ができない可能性があります。
この記事では、以下の内容を解説していきます。
●無痛分娩ができない人の6つの特徴
●無痛分娩で得られるメリット3つ
●無痛分娩できない場合の選択肢
この記事を読むと、自身が無痛分娩をできるのかがわかり、今後の出産方法を検討できるようになりますよ。
無痛分娩できない人の6つの特徴
無痛分娩を希望していても、以下の特徴にあてはまる人は、無痛分娩できない可能性があります。
●分娩の進行が速い
●背中の皮膚に皮疹やアトピー性皮膚炎がある
●麻酔薬にアレルギーがある
●ヘルニア手術や腰椎骨折の経験がある
●心臓病・脳梗塞・肝臓の病気を患っている
●肥満
特徴1:分娩の進行が速い
麻酔を使うまでにカテーテルを入れるなどの処置が必要であるため、分娩の進行が速いと麻酔の効果を十分に得られる前に出産を迎えてしまう可能性があります。
計画分娩の予定日以前に陣痛が始まった経産婦さんは、進行が速い傾向です。
特徴2:背中の皮膚に皮疹やアトピー性皮膚炎がある
状態によっては感染症の可能性が高くなるため、無痛分娩できない可能性があります。
事前に自身の症状を医師へ相談しましょう。
特徴3:麻酔薬にアレルギーがある
アレルギー反応が起きると安全に出産ができないため、無痛分娩ができない可能性があります。
ごくまれに麻酔薬に対してアレルギー反応が起きる人がいます。
麻酔薬を使っている間は蕁麻疹や喘息のような症状が出てしまうため、まず薬の投与をやめてアレルギー反応を抑える処置をしなければなりません。
特徴4:ヘルニア手術や腰椎骨折の経験がある
無痛分娩は帝王切開とは麻酔の入れ方が異なり、硬膜外という背骨に沿った場所にカテーテルを入れて、少しずつ麻酔薬を入れる方法が一般的です。
手術や骨折をした場合、カテーテルを入れる付近に金具を埋め込んでいる場合があります。
また「側弯症」の人は背骨が曲がっているため、カテーテルを入れられないケースがあります。
特徴5:心臓病・脳梗塞・肝臓の病気を患っている
抗凝固剤(血液を固まりにくくする薬)を飲んでいる、肝臓の病気などで出血が止まりにくくなっている人も無痛分娩ができない場合があります。
術後硬膜外腔に血の塊ができやすくなり、下半身麻痺などの原因になるケースがあるからです。
特徴6:肥満
無痛分娩に使う硬膜外麻酔は、背骨の突起と突起の間に針を刺します。
背中に脂肪がついていると背骨に触れることができず、万が一目測で針を刺した場合、神経を傷つけてしまいかねません。
軽度の肥満は問題ありませんが、80kg以上で背中の皮下脂肪が多い人はカテーテルを通すことが困難になります(※1)。
しかし脂肪より筋肉は重いため必ずしも体重が目安になるわけではありません。
医師へ相談して、無痛分娩が可能であるか確認が必要です。
出典:無痛分娩が適している方・いない方│無痛分娩とは – 熊本市 | 産婦人科 無痛分娩 小児科 慈恵病院
無痛分娩で得られるメリットが大きい3つのケース
無痛分娩を行うにあたり、以下の3つのケースに当てはまる方にとってはメリットが大きいと言えます。
●不安感が強い人
●高血圧の人
●分娩が進まず体力を消耗している人
ケース1:不安感が強い人
パニック障害や心の病、出産に対しての不安が強い人は無痛分娩を選ぶと、より安心安全に出産を迎えられるでしょう。
妊娠がわかったときから出産されるまで、ずっと痛みに対する不安で悩むよりも、少しでも不安を取り除き、穏やかな気持ちでマタニティーライフを送っていただいたほう方が、妊婦さんにも赤ちゃんにもよりよい環境になります。
ケース2:高血圧の人
妊娠以前より高血圧である人、妊娠高血圧症候群になってしまった人は陣痛の痛みによって血圧が上がってしまいます。
無痛分娩は痛みを和らげて血圧の上昇を抑えられるため、血流の悪化を防ぎ、より多くの血液や酸素を赤ちゃんに送ってあげられます。
ケース3:分娩が進まず体力を消耗している人
陣痛が始まってから2日以上かかり出産された方も少なくありません。
どんなに順調に分娩が進む人方でもかなりの体力を消耗しますが、丸1日2日かかると陣痛に耐える力が弱くなります。
結果、陣痛が遠のいてしまったり、急遽帝王切開になったりしてしまうのです。
微弱陣痛になってしまうと、分娩は更に長引きます。
帝王切開より経腟分娩のほうがより安全な出産であるため、微量の麻酔を使う無痛分娩を使い、一時的に体力の消耗を減らして分娩を再開させる選択肢もあります。
無痛分娩ができない場合の選択肢
産婦人科や助産院などの方針にもよりますが、無痛分娩ができない場合に普通分娩以外にもよりリラックスした状態で出産する方法があります。
座位分娩や、フリースタイル分娩、水中分娩などがその一部の例です。
詳しくは以下のコラムにてご紹介しております。
まとめ
無痛分娩を希望しているけれど、体の特徴や性質などによって断念せざるを得ない人もいます。
麻酔薬によって痛みを無くすというのはメリットもありますが、そうでない場合でもリラックスして出産できる方法もあります。
ご自身の体に合わせてより安全で満足できる出産の方法はかならずあります。
病院や助産院などに相談して納得できる出産方法を探してみてください。
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▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー