高齢出産で胎児がダウン症になる確率は?検査の時期や種類を紹介
記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「高齢出産でダウン症の確率が上がるって本当?」
「どれくらいの確率で起こるの?」
「事前に検査できる方法について知りたい」
上記のように不安を感じているのではないでしょうか。
高齢出産になると、生まれてくる赤ちゃんがダウン症などの障がいをもってしまうのではないかと心配になってしまいますよね。
そこでこの記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・高齢出産における胎児がダウン症になる確率
・ダウン症の確率が上がる3つの理由
・ダウン症を確認する検査の種類
この記事を読むと、正しい知識が得られ、高齢出産に向き合えるようになりますよ。
そもそもダウン症とは?

ダウン症の正式名は「ダウン症候群」で最初の報告者であるイギリス人のジョン・ラングドン・ダウン医師の名前により命名されました(※1)。
通常、21番目の染色体が1本多くなってダウン症になることから「21トリソミー」とも呼ばれます(※1)。
ダウン症の特徴は、筋肉の緊張度が低く、知的な発達に遅れがあることが多いです。
全体的にゆっくり発達しますが、発達の道筋は、通常の場合とほぼ同じです。
また心疾患などになることも多いですが、ほとんどの人が普通に学校生活や社会生活を送っています。
高齢出産で胎児がダウン症になる確率

母体の年齢ごとのダウン症になる確率は以下の表のとおりで、母体の年齢が上がるにつれて、ダウン症のリスクが上昇することがわかります。
| 年齢 | ダウン症の確率 |
| 25歳 | 1/1250人 |
| 30歳 | 1/952人 |
| 35歳 | 1/385人 |
| 40歳 | 1/106人 |
| 45歳 | 1/30人 |
| 49歳 | 1/11人 |
出典:厚生労働省 – 「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書 参考資料 より一部抜粋
高齢出産でダウン症の確率が上がる3つの理由

高齢出産でダウン症の確率が上がる理由として、おもに以下の3つがあげられます。
・染色体の分離がうまくいかなくなるため
・染色体を繋ぎとめる力が減少するため
・卵子が傷ついたときに修復する力が弱くなるため
順番に見ていきましょう。
理由1:染色体の分離がうまくいかなくなるため
私たちの体の細胞には、46本の染色体があります(※1)。
染色体とは、通常は2本ずつペアとなっており、遺伝情報が書かれた設計図のようなものです(※2)。
卵子ができるときには、2回の細胞分裂を経て染色体が半分の23本になり、精子と出会うと再び46本に戻ります(※3)。
しかし年齢を重ねると、染色体がうまく分かれない「染色体不分離」が起きやすくなり、本来23本であるべき卵子が24本になってしまうことがあるのです(※3)。
染色体不分離が起きた卵子が受精すると、受精卵の染色体は47本となり、ダウン症などの染色体異常を引き起こす原因になります(※3)。
(※2)出典:国立研究開発法人 日本医療研究開発機構「iPS細胞リプログラミングによるトリソミー染色体の自己修正―ダウン症患者の染色体の修正による新たな治療法に向けて」
(※3)出典:一般社団法人日本生殖医学会「Q24.加齢に伴う卵子の質の低下はどのような影響があるのですか?」
理由2:染色体を繋ぎとめる力が減少するため
卵子の中には「コヒーシン」という特別なタンパク質があり、細胞分裂のときに染色体をしっかりとつなぎ止めて正しく分配する役割を担っています。
しかし加齢に伴い、このコヒーシンの量が減少してしまうことがわかっています(※4)。
実際に藤田保健衛生大学が行った研究では、20代と40代の女性を比較すると、減数分裂にかかわるコヒーシンが明らかに減っていることが確認されました(※4)。
コヒーシンが減ると染色体間の接着が弱まり、染色体の分離に異常が発生して、染色体の数が正常でない卵子が増えてしまいます。
この現象が、ダウン症が起きる原因のひとつと考えられているのです。
(※4)出典:大学共同利用機関法人 情報•システム研究機構 国立情報学研究所|藤田保健衛生大学(堤 真紀子)「ヒト卵形成時に発生する染色体不分離の加齢依存性増加機構の解明」
理由3:卵子が傷ついたときに修復する力が弱くなるため
卵子は生まれたときから新しく作られることはなく、年齢とともに老化していき、さまざまな機能が低下していきます。
傷ついたDNAを修復する能力の低下も、そのうちのひとつです。
実際に日本生殖医学会が公表している情報によると、加齢によってDNAの損傷を修復する機能に異常が生じると、染色体異常のリスクが高まるといわれています(※5)。
また、卵子のエネルギーを作り出すミトコンドリアの機能も低下するため、受精卵が正常に育ちにくくなるのです。
これら複数の要因が組み合わさって卵子の質が低下し、染色体異常によるダウン症などの胎児異常のリスクが高まるといわれています。
(※5)出典:一般社団法人日本生殖医学会「Q24.加齢に伴う卵子の質の低下はどのような影響があるのですか?」
ダウン症を確認する検査の種類

出生前診断によって、胎児の染色体異常を事前に調べられます。
この出生前診断は大きく分けて5種類あり、検査の時期や方法、診断の制度などが異なります。
出生前診断の種類と検査時期、およその費用などは以下のとおりです。
出生前診断は、検査の結果に基づいて診断が確定できる「確定的検査」と、診断が確定できない「非確定的検査」に分けられています。
【確定的検査】
| 検査名 | 検査時期 | おおよその費用 | 診断内容 |
| 羊水検査
|
15 週以降 | 約16万円 | 染色体数的異常・構造異常/遺伝子異常/子宮内感染など |
| 絨毛検査
|
11~14 週 | 約16万円 | 染色体数的異常・構造異常/遺伝子異常など |
出典:厚生労働省 NIPT 等の出生前検査に関する専門委員会報告書、国立研究開発法人国立成育医療研究センター「周産期遺伝外来 よくあるご質問」
【非確定的検査】
| 検査名 | 検査時期 | おおよその費用 | 診断内容 |
| 母体血清マーカー検査 | 15 ~20 週 | 約1.6万円 | 21 トリソミー/18 トリソミー/神経管閉鎖障害などの疾患の確率を年齢なども加味して算出 |
| NIPT | 9~10 週頃 | 約10万円 | 13、18、21 番染色体の3つのトリソミー |
| 胎児超音波検査 | 11週頃以降 | 約3万円 | 胎児の形態学的異常などの確認 |
出典:厚生労働省 NIPT 等の出生前検査に関する専門委員会報告書、国立研究開発法人国立成育医療研究センター「周産期遺伝外来 よくあるご質問」
高齢出産とダウン症に関するQ&A
ここでは高齢出産とダウン症について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。
そのため、2人目・3人目であっても、年齢が上がるにつれてダウン症を含む染色体異常の可能性は少しずつ高くなります。
出産回数が多いほどリスクが高まるというわけではありません。
ただし、年齢が上がったからといって必ず何かの異常が起こるわけではありません。
妊婦健診や超音波検査、必要に応じた出生前検査を組み合わせて、赤ちゃんの成長を丁寧に見守ることが大切です。
ダウン症を含む多くの染色体異常は、卵子由来の変化が関係しており、主にお母さんの年齢がリスクに影響するといわれています。
ただし、お父さんの年齢が高い場合、まれに自閉スペクトラム症や一部の遺伝性疾患など、別の要因が関わる可能性が示されることもあります。
こちらも確率としては全体の中で非常に低い範囲です。
まとめ
出産時の母体年齢が高齢になるほど、胎児がダウン症児になる確率は高まります。
また他の染色体異常のリスクや、母体リスクも高まります。
現代社会ではさまざまな生き方や働き方が存在し、女性の出産のタイミングもそれぞれ十人十色です。
妊娠や出産を検討しているならば、こういうこともあるのか、という知識を置きながら、参考にしてくださいね。
▼高齢出産のリスクや検査についてもっと詳しく知る
出生前診断が気になったら・・・
「出生前検査を受けるかどうかを悩んでいる」「出生前検査について詳しく知りたい」「どの検査が自分に合っているのかを知りたい」ーーそんなお悩みをお持ちではありませんか?

出生前検査にはさまざまな種類があり、その方法やリスク、検査で分かること・分からないことがそれぞれ異なります。だからこそ、出生前検査を受ける前に情報を正しく理解し、ご自身にとって納得のいく決断をすることが大切です。
そんなあなたにおすすめなのが、株式会社PDnaviの『出生前検査ホットライン』です!
「出生前検査ホットライン」とは?
NIPTなどの出生前検査に関するさまざまな相談に、オンライン上で認定遺伝カウンセラーが答える45分間のカウンセリングサービスです。
医療機関の受診が不要ですので、日本全国、世界中どこからでもご利用いただけます。
遺伝への専門的な知識を持ち、カウンセリング経験豊富なカウンセラーが、妊婦さんやご家族の抱える疑問や不安、悩みに耳を傾け、意思決定の支援をします。

実際に『出生前検査ホットライン』をご利用になった方の声はこちらからご覧いただけます。
出生前検査について専門家に相談したいとお考えの方は、ぜひ『出生前検査ホットライン』をご利用ください。
出生前検査について詳しく知りたい方は、出生前検査コラムもご活用ください。
NIPTができる病院はどこ?
NIPTを提供する医療機関には、出生前検査認証制度等運営委員会の認証を受けているNIPT認証医療機関(認証施設)とそうではない施設(非認証施設)があります。
NIPT認証施設を選ぶメリットは、出生前検査を受けるだけでなく、検査後の継続的なケアを受けられることです。出生前検査について時間をかけて産婦人科医や小児科医と相談をする体制が整っているため、検査結果を得るだけではなく、検査結果を得た後のことまで継続して相談することができます。
「NIPTなどの出生前検査をどこで受けられるか知りたい」「NIPT認証施設で出生前検査を受けたい」「自分に合う医療機関を見つけたい」ーーそんなあなたにぜひ活用していただきたいのが、株式会社PDnaviが運営する『NIPT認可クリニック検索ナビ』です。
『NIPT認可クリニック検索ナビ』は、NIPTなどの出生前検査を提供するNIPT認証施設を検索するための情報サイトです。地域・出生前検査の種類・条件などを指定して、出生前検査を提供する医療機関を検索することができます。
認定遺伝カウンセラーからのメッセージ
「赤ちゃんが健康に生まれてきてほしい」ーーそれは、すべての妊婦さんが抱く自然な気持ちです。これから妊娠を考えている方、そして現在妊娠している方の中には、赤ちゃんをお迎えすることに不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
出生前検査を受けて赤ちゃんの状態を知ることは、ご家族がこれからどのように過ごしていくかを考え、決断する機会を持つことにつながります。
出生前検査を「受ける」か「受けない」か、そして受けるのであればどの検査を選ぶのか。どの選択も、ご家族にとっての「正解」です。大切なのは、パートナーやご家族と話し合い、納得のいく決断をすることです。
出生前検査について詳しく知りたい、検討したいと感じたら、医療機関や『出生前検査ホットライン』でご相談ください。医療機関をお探しの際には、ぜひ『NIPT認可クリニック検索ナビ』をご活用ください。
認定遺伝カウンセラー 西山 深雪
この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー
