陣痛は、ずっと痛いのではありません。コツを知って乗り切ってください。赤ちゃんも頑張っています!

記事監修者:坂田陽子
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

「陣痛」と聞くと「ずっと痛い」というイメージがありますよね。
しかし、陣痛には「痛くない」時間もあることをご存知でしょうか?
今回は、陣痛に対するイメージの持ち方やコツを知っていただき、みなさんのお産が安産になりますよう、願いながら書かせていただきます。
陣痛について
陣痛には「前駆陣痛」と「陣痛」があります。
「前駆陣痛」は、陣痛の練習のような子宮の収縮のことをいいます。痛みの強さも、起こる間隔も不規則で次第に遠のいていきます。
「陣痛」は、赤ちゃんを子宮から押し出す収縮のことをいい、10分間隔で規則的に繰り返し起こるようになります。
今回のコラムでは、この「陣痛」について書いていこうと思います。
陣痛には波があり、間隔がある
よく陣痛は「寄せては返す波のよう」といいますが、初めは短い痛みの波が徐々に長く強い痛みの波になっていきます。
そして陣痛は、ある一定の間隔で規則的に訪れます。陣痛と陣痛の間に痛みはありません。
私も、最初のお産の時には、陣痛の痛さに驚きましたが、陣痛の間隔の間には、少しほっとできる時間があるのだなと、妙に人間の身体は、よくできているなと思ったりしました。
ずっと痛いままだと、体力も気力も失われる一方ですが、痛くない時間を利用して、休憩・リラックスして、次の陣痛に備えることができるのです。
この痛くない時間は、大いに利用して、音楽を聴く、食事をする、会話するなど、自分を元気づける何かをぜひ実践してみてください!
陣痛を明るく考えませんか?
痛みに抵抗すると、かえって進みづらくなるという考え方もぜひ参考にしていただきたく思います。
「痛みに耐えようとすると、身体に力を入れすぎるのは逆効果です。呼吸がうまくできなくなったり、余計に痛みを感じたりします」
(参考:妊娠・出産ガイドBOOKGakken)
陣痛を怖いものと考えず、赤ちゃんに会うための自然な身体の変化、赤ちゃんに会うために必要なこと、赤ちゃんも頑張っている、とまずは明るくイメージを持つのはいかがでしょう。
大変なことが起きる、とネガティブな印象を持っていると、それだけで呼吸が浅くなりがちです。
自分の身体と赤ちゃんのために、まずは、陣痛のイメージを明るくお持ちください。
陣痛を乗り切るポイント
陣痛は、子宮口が全開大になり、赤ちゃんが誕生する長時間にわたって起こりますので、乗り切るまでのポイントをご紹介します。
①痛くない時間にリラックス
先ほども書きましたが、陣痛の合間の痛くない時間に、何かリラックスできる時間があると良いですね。
簡単な軽食をとり、リラックスするのも良いかもしれません。私は、2回目の出産の際は、お味噌汁をいただきました。バナナやアイスなども手軽で良いかもしれません!
それから、音楽を聴いたりするのはいかがでしょう。
気分を上げるアップテンポな曲でも、逆にゆっくりしたテンポの曲でも、ご自分のお好きなものが一番ですね。
②ゆっくり息を吐いて呼吸
ママが痛みで息を止めてしまうと、赤ちゃんに新鮮な酸素が届かなくなってしまいます。ゆっくり息を長く吐いて、赤ちゃんにしっかり酸素を送りましょう。
息を吸いすぎると、過呼吸になるおそれもあるので、息を吐くことを心掛けてください。
③少し動く
私は、最初の出産の際に陣痛が微弱になってしまい、なかなか次の陣痛が起こらなくなってしまいました。
予想外に、助産師さんから「廊下を歩いて散歩して!」と勧められて、その方が良い刺激があると教えていただきました。
これが、効果てき面で、廊下という別の空間にいるだけで、気分転換になり「よし、もう一度頑張るぞ!」と冷静に闘志を燃やす(笑)ことが出来ました。
また、歩くことで、「刺激」があり、身体的にも良い影響があったようです。じっとべッドの上で待機していると、是が非でも痛みに向き合わねばなりません。少しお部屋をウロウロとする、廊下を歩いてみる、など身体を動かしてみてください。
④陣痛間隔が1~2分になったら
いよいよ分娩室に入ると、陣痛も強くなり、赤ちゃんを押し出そうとする「いきみ感」が出てきます。助産師さんの指示で、子宮口が開ききる前は「いきみのがし」といっていきみを我慢します。
子宮口が全開になっても、陣痛の合間はあります。引き続き、痛みがないタイミングで深呼吸をしてください。
まとめ
私は、長男出産の際、長時間の陣痛で、もう身体も心も限界な状態を経験しました。あれから10年・・・冷静に陣痛を見つめ、コラムを書いていると、身体が陣痛という作用を持っていて、その力を使って赤ちゃんに会うことができるということに、改めて驚き、感動しています。
現在、妊婦さんでいらっしゃるみなさん、おなかの赤ちゃんも頑張っていますよ、ご自分の身体を信じて、リラックスを大切にして、どうぞ良い出産の時をお迎えください。
赤ちゃんの未来に備える「さい帯・さい帯血保管」を考えてみませんか?
赤ちゃんとお母さんをつなぐ、「へその緒(さい帯)」と、その中を流れる血液「さい帯血」には、体を作るためのもととなる貴重な「幹細胞」が多く含まれていて、赤ちゃんやご家族の将来に備えて長期的に凍結保管することができます。
幹細胞は新しい医療への活用が進められており、もしもの時に役立てられる可能性があります。
- 出産後わずか数分の間にしか採取できない貴重な赤ちゃんのものです。
- 採取の際、お母さんと赤ちゃんに痛みや危険はありません。
- どちらにも幹細胞がたくさん含まれています。
- 再生医療分野など、さまざまな活用が進んでいます。
- それぞれ異なる幹細胞が含まれているため、両方を保管しておくことで将来の利用の選択肢が広がります。
実際に保管・利用した方のお声
出産時にしか採取できない「さい帯血」を、脳性まひのお子さまに対して臨床研究で使用された方のお声をご紹介します。

高知大学の臨床研究で
さい帯血投与を受けたお子さま
さい帯血を保管して
本当に良かったと思っています
元気に産まれたと思っていましたが、生後半年頃から左手をほとんど使おうとしないことに気付き、1歳頃にやはり何かおかしいと思ってMRIを撮ってもらうことにしました。結果1歳5ヶ月で脳性まひとわかりました。
2歳の誕生日にステムセルからハガキが届き、出産時に保管したさい帯血がもしや役に立つのではと思い至りステムセルに問い合わせました。ちょうど臨床試験への参加者を募集していて、運よく2歳5ヶ月のときに参加することができました。
輸血前は左手と左足に麻痺があり、歩けてはいるものの、とても転びやすく、少し歩いては転びを繰り返していました。しかし輸血後、翌日には転ぶ回数が減り、おもちゃを両手で掴めるようになって驚きました。その後もリハビリも継続し、完治したわけではありませんがかなり麻痺が軽くなったように思います。
現在、地域の小学校の普通級に集団登校で通えています。
まさか我が子がさい帯血を使って治療をすることになるとは思っていませんでしたが、保険のつもりでさい帯血を保管しておいて本当に良かったと思います。
さい帯・さい帯血を利用した再生医療の研究が、今まさに国内外で進んでいます。
その他のお声は公式サイトからご覧いただけます。
医師からのメッセージ

総合母子保健センター
愛育病院 病院長
百枝幹雄 先生
応用範囲が広がる
「さい帯・さい帯血」による再生医療
近年、めざましく進歩している再生医療のなかで、さい帯やさい帯血の幹細胞を利用する技術の最大の特徴は、通常は破棄してしまうけれども実はとてもポテンシャルの高い出生時の幹細胞を活用するという点です。
これまで有効性が示されている白血病、脳性まひ、自閉症のほかにも様々な疾患に対して臨床研究が進んでいますし、民間のバンクではご家族への利用も可能になりつつありますので、今後はますます応用範囲が広がることが期待されます。
一方、忘れてはならないのは必要になるまで幹細胞を長期間安全に保管するには信頼できる設備と技術が必要だということで、それにはそれなりのコストがかかります。
コスト・ベネフィットのとらえ方は人それぞれですが、お子様とご家族の将来を見据えてベネフィットが大きいとお考えの方には、信頼できる施設へのさい帯やさい帯血の保管は十分価値のある選択肢だと思います。
さい帯・さい帯血についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
保管するなら、ステムセル研究所の「HOPECELL(ホープセル)」
株式会社ステムセル研究所が提供する「さい帯・さい帯血ファミリーバンクHOPECELL(ホープセル)」は、日本国内で最も選ばれている保管サービスです。
ステムセル研究所は、25年以上の保管・運営実績がある日本初のさい帯血バンクで、国内最多となる累計80,000名以上のさい帯血を保管しています。

研究所

研究所
国内では脳性まひに対する、赤ちゃんご自身やごきょうだいのさい帯血投与の研究が行われています。海外の臨床研究では、投与により運動機能および脳神経回路の改善が報告されています。また自閉症スペクトラム障害(ASD)に対して、さい帯血の投与によりコミュニケーション能力や社会への順応性が向上する可能性が期待されており、大阪公立大学にてお子さまご自身のさい帯血を投与する臨床研究が開始されます。

研究所
無料パンフレットをお送りします!
さい帯・さい帯血保管についてより詳しく知っていただけるパンフレットをご自宅へお送りします。
赤ちゃんの将来に備える「さい帯・さい帯血保管」をぜひ妊娠中にご検討ください。

この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー