妊娠後期におきる頭痛の原因とは?やわらげる5つの方法や注意点も解説

記事監修者:助産師 坂田陽子 先生
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

妊娠後期に入り、頭痛の症状がつらいと悩んでいませんか。
頭痛薬の服用は赤ちゃんへの影響が気になり、どう対処すればよいか悩んでいる人もいるでしょう。
妊娠後期における頭痛には運動不足やホルモンバランスの変化など、いくつかの要因が考えられます。
あらかじめその要因を知っておけば、予防や対策も取りやすくなりますよ。
この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。
・妊娠後期に頭痛がおきる4つの原因
・妊娠中の頭痛をやわらげる5つの方法
・妊娠中に注意すべき頭痛の症状
この記事を読むと、妊娠後期におきる頭痛をやわらげられるため、楽に日常生活を過ごせるようになりますよ。
妊娠中の頭痛に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
妊娠後期は緊張性頭痛であるケースが多い
妊娠初期は、目の横周辺にズキズキする痛みを伴う「片頭痛」がおきるケースが多いです。
一方妊娠後期は、後頭部周辺で頭が締め付けられるような痛みが起きる「緊張性頭痛」であるケースが多い傾向です。
緊張性頭痛の場合は、肩こりや倦怠感といった症状も見受けられるでしょう。
妊娠後期におきる頭痛の原因【4選】
妊娠後期は生活習慣や体内のホルモンバランスの変化によって、頭痛が引き起こされます。
おもな頭痛の原因は以下の4点です。
・貧血
・ホルモンバランスの乱れ
・運動不足やストレス
・睡眠不足の蓄積
順番に内容を見ていきましょう。
原因1:貧血
妊娠中は赤ちゃんに栄養を送り込むために、母体をめぐる血液の量を増やそうと一時的に血液が薄まった状態になります。
そのため、妊娠中は「鉄欠乏性貧血」が起きやすくなります。
鉄不足によって赤血球の流れが悪くなり、体に十分な酸素が行き渡りにくくなります。
たくさんの酸素が必要となる脳が酸素不足になると、頭痛やめまいなどが症状として現れてくるのです。
妊娠後期になると貧血が進行しやすく、その分、頭痛も起きやすくなります。
また、貧血状態は胎児にも影響が出る恐れもあり、注意が必要です。
胎児は羊水の中にいるため、子宮中に流れている血液の中の酸素を胎盤やへその緒を通して取り込みながら呼吸しています。
つまり母体が貧血状態に陥り、酸素が不足すると、胎児も十分な酸素を取り込めないのです。
そのため重度な貧血の場合は、産婦人科医の適切な判断のもと、鉄剤による治療が必要になる場合もあります。
原因2:ホルモンバランスの乱れ
妊娠すると女性ホルモンのひとつである「黄体ホルモン」が大量に分泌され、ホルモンのバランスが妊娠前と比べて大きく変化します。
ホルモンバランスの変化により自律神経がうまく機能せず、血管の拡張や収縮が乱れてしまうと、生理前の頭痛と同じような痛みを感じたり、肩こりや首のこりを生じたりして、頭痛につながる場合もあるのです。
原因3:運動不足やストレス
頭痛のなかでも、緊張性頭痛は運動不足や長時間の悪い姿勢、精神的なストレスが原因だといわれています。
妊娠後期に入ると、大きなお腹での外出が億劫になることで、運動不足になってしまうことも。
初めての妊娠であれば、とくに出産や育児に対しての不安がストレスになる場合もあります。
原因4:睡眠不足の蓄積
妊娠後期は、大きなお腹により寝る体勢が辛くなったり、夜間の頻尿で目が覚めたりして、質のよい睡眠の確保がむずかしくなります。
さらにエストロゲンが寝つきを悪くする一方で、プロゲステロンが眠気を引き起こすという相反する作用で「眠いけどなかなか眠れない」という状態に。
このような睡眠不足の蓄積が自律神経の乱れを招いて、血行不良や筋肉の緊張を引き起こして頭痛の原因となることが考えられます。
妊娠後期の頭痛をやわらげる方法【5選】
妊娠後期の頭痛はつらいですよね。
ここでは、妊娠後期の頭痛に効果のある対処法を5つ紹介します。
・鉄分の摂取
・血行促進
・ストレス解消
・ツボ療法
・頭痛薬の使用
順番にくわしく解説していきます。
対処法1:鉄分の摂取
妊娠後期になると、胎児が大きくなり鉄分の需要が急激に増え、貧血状態から頭痛を引き起こしやすくなります。
貧血を防ぐためにも、鉄分は積極的に摂りましょう。
具体的には「15㎎/日」を目安に摂取するとよいでしょう(※1)。
「レバー」「豚・牛モモ肉」など肉類全般は、血色素の産生に欠かせない良質なタンパク質も多く含んでいます。
また鉄の吸収を促す「ビタミンC」は、緑黄色野菜や果物に多く含まれているため、一緒に摂取すると効率がよいです。
(※1)出典:独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター「妊娠・授乳期の食生活のポイント」
対処法2:血行促進
妊娠後期に多い緊張性頭痛の原因は、血管の収縮によって生じる血行不良です。
血行を促すために、お風呂に入ったり、適度な運動やマッサージなどを行ったりすると、凝りがほぐされ痛みがやわらぐことも多いでしょう。
目元や首肩をホットパックなどであたためるのもおすすめです。
ただし片頭痛を併発している場合は、運動や入浴で痛みが増してしまうことも。
頭痛のタイプが分からない場合は、医療機関で相談しましょう。
対処法3:ストレス解消
緊張型頭痛の原因となる精神的ストレスの解消も大切です。
運動不足だと思ったら、適度なストレッチやエクササイズを取り入れましょう。
ストレスを感じたらお茶を飲んだり、身近な人と話してみたりするなど、自分に合ったストレス解消法を探してみてくださいね。
不安や悩みがあれば、周囲の人や医療機関への相談も1つの方法です。
対処法4:ツボ療法
頭痛に効果的なツボの部位は以下のとおりです。
・合谷:手の親指と人差し指の付け根の間
・百絵:頭頂部
・風池:耳の後ろの骨と後頭部のくぼみの中間
気持ち良いと感じる程度に、親指や手のひらでやさしく押しましょう。
蒸しタオルやお灸で温めるのもおすすめです。
対処法5:頭痛薬の使用
辛い頭痛が続く場合、ついつい頭痛薬を飲みたくなってしまいますよね。
しかし、自己判断で市販薬は服用しないようにしましょう。
妊娠中でも飲める頭痛薬は医療機関で処方してもらえるため、相談してみてくださいね。
妊娠後期の頭痛に対する3つの予防法
頭痛の予防には、おもに以下3つの対策が有効です。
・規則正しい睡眠習慣
・こまめな水分補給
・正しい姿勢をとる
順番に見ていきましょう。
予防法1:規則正しい睡眠習慣
規則正しい睡眠は自律神経のバランスを整えて、頭痛を予防してくれます。
毎日同じ時間に寝起きし、少なくとも6時間以上の睡眠時間を確保したいところです(※2)。
質のよい睡眠をとるコツとして、就寝前のスマホの使用時間を減らすなど、眠りやすい環境を整えることが大切です。
寝室は適度な温度と湿度にたもち、暗く静かな環境にすることで、深い眠りを得やすくなります。
具体的には、
・室温20~26℃
・湿度50~60%
の状態をつくれると、眠りに就きやすくなります(※3)。
寝るときの姿勢は横向きで抱き枕を使用するなど、楽な体勢を見つけて休息の質を高めていくとよいでしょう。
(※2)出典:北海道教育委員会「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」健康づくりのための睡眠指針の改訂 に関する検討会 令和6年2月
(※3)出典:日本経済新聞「寝室、20~26度で涼しく快適」
予防法2:こまめな水分補給
脱水症状も頭痛の重要な原因の一つであるため、意識的に水分補給を行いましょう。
一度に大量の水分をとるよりも、少量ずつ頻繁に飲むほうが体への負担が少なく効果的です。
朝起きたとき、食事の前後など、タイミングを決めて水分補給を習慣化すると忘れにくくなります。
一日を通してこまめに水分をとる習慣をつけ、とくに暑い時期や軽い運動をした後は積極的に補給しましょう。
適切な水分補給により血液の循環が改善され、頭痛を引き起こす血行不良を防げます。
予防法3:正しい姿勢をとる
妊娠後期は大きくなったお腹を支えるために姿勢が悪くなりやすく、頭痛の原因となります。
背筋を伸ばして肩の力を抜き、顎を軽く引いた正しい姿勢を意識的に保つよう心がけましょう。
同じ姿勢で長時間過ごすと血流に悪影響を与えるため、定期的に立ち上がったり、軽くストレッチをしたりして体勢を変えることが大切です。
デスクワークをする際は、椅子の高さを調整し、背中にクッションを当てるなど、体に負担の少ない環境を作りましょう。
また首や肩周りの筋肉が緊張しないよう、定期的に首を左右に回したり、肩を上下に動かしたりする簡単な体操も効果的です。
正しい姿勢の維持と適度な体勢変更により、血行不良による頭痛を予防できます。
妊娠後期のこんな頭痛には注意!すぐに受診すべき症状
下記のような症状が伴う場合は、すぐに医師へ相談しましょう。
・目がチカチカする
・血圧が高い
・気持ち悪い・嘔吐する
上記の症状がある場合は「妊娠高血圧症候群」になっている可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
妊娠後期の頭痛に関するQ&A
ここでは妊娠後期の頭痛について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。

まずは、
・首元を温める
・水分をとる
・部屋を暗くして静かに休む
・ストレッチなどの軽い運動
といったセルフケアを試してみましょう。
それでも治らない、視界のチカチカや吐き気を伴う場合は、妊娠高血圧症候群の可能性もあるため、早めに産婦人科へ相談しましょう。

たとえば、頭痛が高血圧・尿蛋白・むくみと一緒に現れている場合は、「妊娠高血圧症候群」の可能性もあります。
これは赤ちゃんへの血流が減ることで成長に影響を与えることもあるため、医師の管理が必要になります。
また、痛みや不調で食欲が落ちたり、睡眠がとれないことが続くと、間接的にお腹の赤ちゃんにも負担がかかってしまうこともあります。
「いつもと違う」「だんだん悪化している」と感じたときは、早めに病院へ相談しましょう。

特に妊娠後期は、薬の成分が赤ちゃんの循環系に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
一般的に「アセトアミノフェン」が成分の薬は妊娠中でも使いやすいとされますが、それでも必ず主治医や薬剤師に相談し、許可を得た上で服用しましょう。
まとめ
妊娠後期はさまざまなマイナートラブルに悩まされますが、頭痛もつらい症状のひとつです。
血行改善・ストレス解消・ツボ押しなどセルフケアをしながら、それでも頭痛がおさまらない場合は、無理せず医療機関で相談しましょう。
また頭痛は、まれに妊娠高血圧症候群など、危険な症状のサインであることも。
気になる症状があるときは、早めにかかりつけの医療機関に相談してみてくださいね。
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この記事の監修者
助産師 坂田陽子 先生
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー